本日から第114回歯科医師国家試験において、個人的にピックアップしておきたい問題を、シリーズもので定期的に解説していこうと思います。
今回取り上げる問題は、必修問題として妥当ではなく、正解者には加点、不正解者は削除となった問題の1つを、ピックアップしていこうと思います。
本日紹介する問題は必修問題A-4です。
一次性咬合性外傷にみられるのはどれか。1つ選べ。
a 歯肉退縮
b 歯槽骨吸収
c 歯周ポケット
d アブフラクション
e アタッチメントロス
以前から過去に必修、一般問わず問われることが多いベタな問題ですが、定義から復習してみましょう。
〇咬合性外傷≡許容量を超える咬合力が加わった際に生じる歯周組織の破壊のこと。
その中でも、
一次性咬合性外傷
≡歯周組織が十分に残存し、
☆正常な骨レベルとアタッチメントを有した☆
状態で、きわめて強い力が加わって生じた状態。
二次性咬合性外傷
≡歯周病により歯周組織が減少し、
☆骨吸収とアタッチメントロスが生じた☆状態。
です。
そして、大事なことは外傷性咬合と咬合性外傷の違いです。前者は力が加わる原因、後者は力が加わった結果です。
そして咬合性外傷としてみられる臨床症状は、
歯の動揺度増加、歯根膜腔拡大、咬耗、歯の破折、補綴物脱離、頬の圧痕、骨隆起、アブフラクション、フェストゥーンやクレフト、歯根膜炎由来の打診痛や自発痛の出現、Hysなどが考えられます。
ここまで踏まえた上で今一度選択肢を吟味してみましょう。
ちょっと、今さっき復習してみた知識で解いてみましょう。
・歯肉退縮
→歯周組織にはいるものの、残存具合にはよりますが、どちらかというと二次性寄りです。
・アブフラクション
→クサビ状欠損のこと。
・アタッチメントロスと歯周ポケット、歯槽骨吸収→一次性咬合性外傷の定義から外れてしまうのでバツとなる。どちらかというと、二次性咬合性外傷ですね。
となるのでアブフラクションが正解、、となるわけです。
でも、楽して解きたい。そんなあなたにおすすめなのが、当塾で推しているグルーピングです。
この考え方も踏まえて解いてみると、さらに楽に解くことができます。
というのも、この咬合性外傷。定義から考えてしまえば、歯周組織がいいのか悪いのかという点だけで、解けてしまうのです。
つまり、選択肢を
☆☆歯周関係に生じる問題と歯質に生じる問題でグルーピング、ソートしてみましょう☆☆
歯質の問題
→アブフラクション
歯周組織の問題
→歯肉退縮、歯槽骨吸収、歯周ポケット、アタッチメントロス
どうみても浮き彫りになってるのはアブフラクション。これが正解です。
☆☆まとめ☆☆
①用語ごとに知識の定義を確認するコト
②受験テクニック上、選択肢をソート、並び替えをし直してグルーピングしてみるのも解く上ではいい手ですね。
当塾では他にも受験テクニック、臨床の流れを踏まえた上での解くことに特化した解き方も伝授します。
また、実際に問題を解きながら、他にはどんな疾患が考えられるのか、生徒と先生が話し合いながら一つの問題からたくさんのパフォーマンスを引き出し、歯科医師国家試験という連想ゲームを楽しみながら受験生活を送ることが出来るかと思います。