part38 第114回歯科医師国家試験 必修 C-5 正答率86.4%

114C-5 (必修) 正答率86.4%
フェニックス膿瘍に転化するのはどれか。1つ選べ。
a 歯髄壊疽
b 急性単純性根尖性歯周炎
c 急性化膿性根尖性歯周炎
d 慢性単純性根尖性歯周炎
e 慢性化膿性根尖性歯周炎

【フェニックス膿瘍と根尖性歯周炎】 『歯内治療学(医歯薬出版)』第7章 6.根尖性歯周組織疾患の臨床病理と臨床症状 参照

臨床では自覚症状のない患歯の根管治療の直後に、急性炎症の症状が発現することがあります。

細菌感染などの外来病原的刺激と、生体の抵抗性が平衡状態にある慢性炎症が、治療中の刺激等により激しい急性炎症に転化することがあり、この状態を不死鳥に例えてフェニックス膿瘍と呼ばれます。

歯内治療において、フェニックス膿瘍とは、慢性化膿性根尖性歯周炎に罹患した歯の根管処置を行った直後に生じる急性化膿性炎の症状を言います。

根管治療時に根管内の汚染された内容物を拡大・形成の機械的操作によって根尖孔外に誤って押し出した結果、根尖歯周組織に組織抵抗性を越える病原物質が送り込まれて均衡が崩れ、慢性炎症が急性炎症に転化します。

慢性化膿性根尖性歯周炎を有する歯の歯内処置を行って発症することが多く、治療する根管の内容物の病原性を十分に注意して処置を行う必要があります。

114C-5 (必修) 解答
フェニックス膿瘍に転化するのはどれか。1つ選べ。
a 歯髄壊疽
b 急性単純性根尖性歯周炎
c 急性化膿性根尖性歯周炎
d 慢性単純性根尖性歯周炎
e 慢性化膿性根尖性歯周炎

解答 e