(愛知学院)2020年から新しい方針を打ち出しました~5年まで進級すれば、卒業試験に煩わされることなく、腰をすえて、国試の学習に取り組めるようになりました(今回も6年の卒業試験が何度も何度も行われ、ほぼ100%の人が国試を受験出来ました)~

2020年度から、愛知学院は、方針を大きく変えたようです。。。

なんと・・・

~卒業試験で、合格率を操作しない仕組み作り~

〇それは愛知学院が、5年まで進級出来れば、後はほぼストレートに進級出来る仕組みを作り上げたこと。。。

おととしもほぼ全員国試を受験させていたので、「?」と思っていましたが、やっと謎が解けました(笑)。

出来るだけ全員国試を受験させる流れに方向を変えたのですね。今回も何度も何度も卒業試験の再試・追試が行われ、1人以外は全員国試を受けることが出来ました(お一人は訳アリ)

ということは、新5・6年になれた人は、ほぼそのまま行ける可能性が高いですね(もちろんご自身の努力が必要ですが。)

通常、私立の歯学部6年では、国試合格率を、卒業試験に絡めて操作します。これはいい%を出すには、仕方ないことです。

① 国試に申し込みさせないこと
② 国試に申し込んでも受けさせないこと

上の2つの人数を差し引いて、実際の受験者の分母数を少なく見せることで、合格率を高く見せること。。

それが2020年から、愛知学院では、上の二つを今後はしないと決めたようです。。。

やはり大事なのは、6年全員が、5月1日の段階で、何人いるか?ということ。これを多くの私大では発表していません。ですから、実態がつかみにくいわけです。

2020年の愛知学院の国試では、5月1日の段階で122人が在籍していて、121人が受験(そのお一人は仕方ない理由)、合格したのが、76人です(つまり新卒の合格率が、62.3%)

もし今回、学院が卒業試験で6年を30人程度落としたら、結果は新卒83%の合格率になりました。。。もし40人落とせば、新卒93.8%の合格率になったわけです。

実際、操作なしで、新卒合格が62.3%は、操作していないとすると、なかなかいい数字ではないでしょうか?

歯学部の低学年は、基礎系科目の定着が国試合格では要になるので、低学年の進級は厳しくあるべきでしょう。低学年、特に2、3年の学習が基礎系科目で、その知識が定着していないと、臨床問題を正しく考えることが出来ません。低学年の進級を緩くしてしまうと、以後厳しいことになってしまいます。

学院には、アドバイザーシステムが1年でもあり、チューター制度が今年の2年から始まり、6年では自分たちが、チューター(学生10人につき1人)を選ぶことが出来る仕組み作りのようです。

ただ、一つ厳しくなったのは。。。今年の年から、同一学年の留年限度年数が2年になったこと。。。上の学年は3年までです。つまり今後は、同一学年の留年限度数は、2年になっていくということです

しかし2年になることにより、生徒が留年すると焦って勉強する体制になる+歯学部にどうしてもあわない生徒に別の進路を機会を与えるという意味で、効果的ではないでしょうか?同一学院を3年留年限度があるとしたら、留年したら、怠けてしまう生徒が続出してしまうだろうな、というのは容易に想像出来ます。だらだらと同一学年を3年繰り返すよりも、2年で集中してやらせたほうが生徒側も緊張感があり、いいかもしれません。

(今回の学院の留年数(最終))

・4年・・・25名(150人中(71%))←一昨年は21名(131人中(70%))
・3年・・・6名
・2年・・・22名
・1年・・・10名

CBTに関しては、学院は次回のCBTは72%をボーダーにする予定。次回は73%。ここまでは決まっているようです(以後は未定)。

愛知学院の5、6年のカリキュラムを見てみると、本当にゆとりがあり、自主性に任せられていて、実際の新卒の合格率を見る限り、成果は出ていると言えます。

他学校では、卒業試験に振り回されて、国試の勉強が出来ずに、国試落ちの可能性もありますね。。。

他の私立大学で、今回の学院のような仕組みにしたのは、まずないのではないでしょうか?

〇もう一つ愛知学院の学費の値上げもよく話題になります(年間3,300万表記)が、これは、内部の方はご存じかと思いますが、愛知学院は学費の表記を全部ひっくるめての表記に、今回変えたようです。。。

同じ学習環境で学生を指導したいからのようです。実習費、実習器具、研修費、CBT/OSCEの受験料が約270万+保護者会の特別徴収で約80万=350万。この額を表記に含めているようです。ですから、

実際には、大阪歯科が歯学部で最も高額であり、その次ということでしょう。愛知学院が歯学部で一番高額というわけではないようです(表記と実態が異なる。)

卒試のために、国試の勉強時間が取れなくなることも学院ではなさそうです。

学院の5、6年生は、「卒業試験で落とされる!」とパニックにならずに、国試対策に取り組むことが出来ますね。

ぜひ学院は、このシステムを継続していくといいですね。本当に大きい方向転換だと思います

他学校の5年、6年は、一般的に修羅場。学院の5、6年は牧歌的で、古き良き歯学部を残しているのかもしれませんね。

 他から見たら、うらやましいでしょう。。。