現在第114回の国家試験の解説を掲載していますが、ご自身が作成して欲しい問題の解説&解答の作成を請け負います。
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歯科医師国家試験に合格するための本音トーク
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114A-13 (必修) 正答率97.8%
毛の脇腹を用いるブラッシング法はどれか。1つ選べ。
a バス法
b 縦みがき法
c フォーンズ法
d スティルマン法
e スクラッビング法
解答d
【各ブラッシング法及びその特徴について】
皆さん、ブラッシング法についても毎年必ず出題される(必修に限らず)と言っても
過言ではないのはないのでしょうか。
皆さんが将来、歯科医師になった際、その患者さんに適したブラッシング法が
説明できないといけないですよね。
オススメは実際の模型及び歯ブラシを使ってお互い説明し合うことです。
ほんの短い時間それをすることによって覚えてしまい、1問確実に解けたら最高ですよね。
■毛先か脇腹かの簡単な覚え方
〇脇腹を用いる方法
・ローリング法…回転
・スティルマン法…加圧振動+回転
・チャーターズ法…加圧振動
〇毛先を用いる方法
・上記以外!
このように覚えると簡単です。ですが、今後は具体的な内容も聞かれると思いますので、
理想はそれぞれのブラッシング法を簡単に説明できるようにしといた方が良いです。
114A-13 (必修) 正答率97.8%
毛の脇腹を用いるブラッシング法はどれか。1つ選べ。
a バス法…毛先、歯肉溝、近遠心
b 縦みがき法…毛先、上下
c フォーンズ法…毛先、描円法
d スティルマン法…脇腹、加圧振動+回転
e スクラッビング法…毛先、近遠心
解答d
114A-3 (必修) 正答率88.3%
ニュルンベルグ綱領に謳われているのはどれか。1つ選べ。
a 脳死の判定
b セカンドオピニオン
c 倫理審査委員会の設置
d 医師による患者情報の守秘義務
e 人体実験における被験者の自発的同意
解答 e
【医療に関する宣言関連】
皆さん、ヒポクラテスの誓いから始まって、医療に関する、法律、宣言等をいくつか習ったと思います。
「覚えるのが大変だなー」と、思われるかもしれませんが、覚えてしまえば必ず解ける、かつ、毎年1問は必ず出ると言っても過言でないので、
頑張りましょう。
ポイントとしては、似た宣言をセットで覚え、宣言名⇔簡単な内容をどちらからでも聞かれても答えることができるようにすることが重要です。
☆医師による義務系
・ヒポクラテスの誓い…、医師の倫理・任務などについての宣誓文
・ジュネーブ宣言…医師の守秘義務 (d)
☆研究系
・ニュルンベルグ綱領…人体実験における被験者の自発的同意 (e)
・ヘルシンキ宣言…臨床研究における倫理審査委員会の設置 (c)
☆患者権利系
・リスボン宣言…セカンドオピニオ (b)
☆脳死の判定
・シドニー宣言…臓器移植に伴う脳死の判定 (a)
(※脳死(のうし)だからシドニー宣言。ダジャレですが時にはこういった方法が救ってくれることもあるので
オリジナル暗記法を作ってみてください。)
ニュルンベルグ綱領に謳われているのはどれか。1つ選べ。
a 脳死の判定 シドニー宣言
b セカンドオピニオン リスボン宣言
c 倫理審査委員会の設置 ヘルシンキ宣言
d 医師による患者情報の守秘義務 ジュネーブ宣言
e 人体実験における被験者の自発的同意 ニュルンベルグ綱領
解答 e
114A-2(必修)
歯科用合金を構成する金属元素で、イオン化傾向が最も大きいのはどれか。
1つ選べ。
a Ag
b Au
c Cu
d Pt
e Ti
解答 e
【歯科用金属の物性および理工学基礎知識】
皆さん、中学、高校で様々な金属、それに関する勉強をされたと思います。(アルカリ土類、イオン化傾向など。)
ただ、よくよく考えてみると、歯科領域で使われる金属はある程度種類が限られているということに気が付くと思います。
今回の問題はイオン化傾向が最も大きいのはどれかという問題です。
イオン化しやすい=化学的に不安定→非貴金属(卑金属)かな。
発想が重要になってくると思います。
なのでa Ag(銀)、b Au(金)、d Pt(白金)はすぐ消せると思います。
c Cu(銅)も上記のものと比較すると微妙(※サビに関してチェック)に思うかもしれませんが、後述の e Ti と比較すると明らかなので
すぐ消せると思います。
なので、e Ti(チタン)が正解ですが、「えっー!チタンはインプラント体に使うから安定しているじゃないの!?」と思われるかもしれません。
そうです、ただチタンは表面に酸化膜をすぐ形成し不動態化するため、貴金属と同じように化学的に安定した状態になります。
114A-2(必修)
歯科用合金を構成する金属元素で、イオン化傾向が最も大きいのはどれか。
1つ選べ。
a Ag
b Au
c Cu
d Pt
e Ti
解答 e
114A-1(必修)
薬剤耐性〈AMR〉対策に該当するのはどれか。1つ選べ。
a 海外渡航の禁止
b PCR 検査の実施
c 手指消毒薬の配布
d 抗微生物剤の適正使用
e 免疫グロブリンの投与
解答 d
【薬剤耐性(AMR)および薬剤の基礎知識】
皆さんは薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)について説明を求められた場合どれくらい説明できますか。
中には「同じ薬をずっと使い続けたらいけないのでしょ?」
ぐらいの感覚の方がいるかもしれません。
ですか、昨今、コロナウイルス(COVID-19)が問題になっていますが、
WHOが今後の深刻な感染症の一つに薬剤耐性菌の存在を挙げています。
耐性菌が出やすいということはそれだけ一般的な疾患である場合が多いということです、言い方を変えれば、みんながかかりやすい疾患で漫然と薬剤を不適切使用し続けた結果、耐性菌だらけになりどの薬も効かない状態になってしまってことを想像してみてください。
それが、お年寄りや免疫が低下した方に感染してしまったら…。
今後、要チェックの問題ですね。
医療人として日頃から少し医療系のニュースに目を通しておくことも大事かもしれませんね。
114A-1
薬剤耐性〈AMR〉対策に該当するのはどれか。1つ選べ。
a 海外渡航の禁止
b PCR 検査の実施
c 手指消毒薬の配布
d 抗微生物剤の適正使用
e 免疫グロブリンの投与
解答 d
※他にもAMRに関する教育、AMRや抗微生物剤使用の動向監視、
AMRや薬剤耐性微生物の研究、国際協力が重要とされています。
6月も後半になりました。前期学期末テストの直前対策個別講座の外部のお問合せが急に増えてきました。
例年よりも、今年はお問合せが多い印象です。
本年度は基本授業はオンライン(あるいはハイブリッド)、試験は対面型の大学が多いのではないでしょうか?(今後の状況によっては、オンライン試験も増えるかもしれません。)
昨年は、コロナ下一年目で、進級に関しては、非常にラッキーな年でしたが、今年は逆に、厳しくなることが予想されます。今年は昨年よりも多くの大学において、オンライン(ハイブリッド)授業→対面試験の流れが加速しそうです。また課題なども昨年より大量に出て、そのために、本業の学習に集中できないようなケースも出てきているようです。オンライン試験を実施するにしても、昨年は一年目だったので、簡単だったのですが、今年は大量の問題で、さらに重箱の隅をつつくような問題を出すようになっている印象です。
前期で落とさないのが、留年を未然に防ぐコツです。
留年を未然に防ぐ努力をしましょう。
日本歯科大学は、2016年から留年数が激増しました。
卒業試験においても、2016年においては、30名程度の留年数だったのが、今では、100名程度になっているようです。
今の日本歯科では、聴講生(同一学年の限度年数が2年を超えてしまうと、いったん放校になり、予備校に通うか、大学に留まるテスト勉強の準備をする仕組み)も含めて、約100名です。約3倍卒業試験で落ちるようになっているのですね。
D17
こちらは、問題として適切であるが、必修問題としては妥当でないため、正解した受験者については採点対象に含め、不正解の受験者については採点対象から除外された問題です
歯科治療中に幼児が口腔内に落下した異物により呼吸困難に陥った。異物の除去を行おうとした所、脈拍数が30回/分となり意識が消失した。直ちに行うのはどれか?
a.気管挿管
b.胸骨圧迫
c.静脈路確保
d.背部叩打法
e.腹部突き上げ法
(正解:b胸骨圧迫)
内容としてはBLSの内容です。アルゴリズムを理解しておくのは、今後の研修医でも役立ちます。AHAのホームページ、麻酔の教科書などに載っていますから、必ず確認してください。
基本の流れをまず確認しておきましょう。
1.反応があるか
→ない場合周囲に知らせる、119番、AED手配
2.呼吸の有無の確認、脈拍の確認
→呼吸がないもしくは死戦期呼吸、わからない場合は無いと判断する。脈拍は10秒以内に確実に触知できるかで確認。
3.呼吸なしまたは脈拍なし
→CPR開始、AEDが入手でき次第装着
詳しいアルゴリズムは教科書などで確認して欲しいため省略して書いていますが、原則は以上になります。
今回は窒息のケースなので、窒息の解除をするかどうかについてですが、窒息の解除を試みるのは意識がある場合です。ない場合は心肺蘇生を行います。
以上割愛した部分も多いですが大まかな流れです。
以上を考えればまずa、cはそもそも出てきません。またd、eも意識が消失した時点で違います。したがって胸骨圧迫に行き着きます。
。。
勿論このようなプロセスで解答を出すのが理想です。また正しいアルゴリズムは必ず学習して欲しいですが、国家試験の問題としてはもっと容易に答えはでます。
まずaやcですが、一般の診療所レベルで対応できるところは少なく、手技としても容易とは言えないので、緊急事態で出来るか?と考えればきつそうです。なので優先順位は低いです。
また今回の問題文には「異物の除去を行おうとした所」と記載があります。ここから「窒息の解除を行おうとしたが上手くいかなかった」とも読み取る事が出来ると思います。そうなるとd、eとも上手くいかなかったのだから答えになるとは考えにくいです。そうなると自動的に胸骨圧迫が答えになると予測できます。
問題文に必要のない事は書かれないと思います。出題者が何を問いたいかを読み取る事も大切だと思います。
全国どこの1年の歯学部でも、だいたい物理で困っている方が多い状況です。
当予備校では、各大学のテスト傾向に習熟した講師たちが、マンツーマンで個別指導しています。
歯学部に入学する際に、物理受験していない/推薦で入学している現実がある以上、前期で物理を落とすのは、当たり前でさり、即→留年に繋がりかねません。
1年の一般教養で留年などしていたら、泣くに泣けないのが現実です。。。
当予備校で、今年度入塾した1年の多くは、留年した方々が多く、物理を落として留年のパターンが多い印象です(しかも1年の入塾人数は、年々増加しています)。今物理対策真っ盛りです。
多くの大学で、今では、翌年の2月にまとめて前期&後期の再試があるため(以前は前期試験→前期の再試→後期→後期の再試のパターン)、前期落とした科目の対策は、後期の間はなかなか出来ず、結局翌年2月の再試の直前にやるはめになります。そうなると、前期の科目の内容も忘れているし、傾向も変えられているしで、結局前期の科目を再試で落として留年するパターンが多いようです。
あるいは昨年は仮進級の措置で、進級しているかもしれませんが、対策しないとまずい状況です。。。
「焦らないといけない時に焦って、ちゃんと対策して、進級出来る人」と、「まずい問に何もしなくて、留年してしまう方」との違いでしょうか?
情報&タイミングに鈍い人は、→繰り返し留年というサイクルにはまりかねません。
第115回歯科医師国家試験を見据えて、
最近流行りの栄養、フレイルについて前回まとめきれなかった科目ないし関連事項について、まとめてみようと思います。
まずはこちらの問題について、確認していきましょう。
114回 歯科医師国家試験 必修 問題
114 A-18
老年期のフレイルサイクルを図に示す。
①はどれか。
①→基礎代謝低下→エネルギー消費低下
→食事の低下、食事摂取量の低下→
低栄養→①(以下、繰り返す)
(※図を参考に文字におこした)
a 悪液質
b 廃用症候群
c サルコペニア
d ジスキネジア
d メタボリックシンドローム
解答: c サルコペニア
こちらのフレイルサイクルは
日本人の食事摂取基準2020にも取り上げられているものです。
今回のフレイルサイクルのルートは、
ルート①
サルコペニア→☆基礎代謝低下↓→消費エネルギー量↓
→食欲低下、摂取量↓→低栄養
となっていますが、実は
ルートはもう一個あって、
ルート②
サルコペニア
→☆疲労・活力↓もしくは筋力↓
→身体機能↓(歩行速度↓)
→活動度↓☆
→消費エネルギー量↓
→食欲低下、摂取量↓→低栄養
というものがあります。
ちょっと脱線しますが、この問題の上手いところは、ルート②だと受験生に単純想起させてしまって簡単になってしまうので、ルート①のほうを取り上げて問題を作ったわけですね。賢い。
また、戻ります。
まず、高齢者歯科の観点からまとめてみましょう。
①高齢者歯科
フレイル&サルコペニアと栄養の問題について、
まずは整理していきましょう。
フレイルとは、
要介護に入る前の前段階。
Friedの定義によると、
1体重減少
2主観的疲労感
3日常生活活動量の減少
4身体能力(歩行速度)の減弱
5筋力(握力)の低 下のうち 、
3 項目が当てはまればフレイル。
1〜2 項目が当てはまる場合はフレイル前段階と
なるわけです。
このフレイルの原因の一つにサルコペニアがあり、
サルコペニア→フレイル→低栄養の流れの
フレイルの部分が
前述のルート②
→☆疲労・活力↓もしくは筋力↓
→身体機能↓(歩行速度↓)
→活動度↓☆
の部分に当てはまるわけですね。
そして、低栄養となることでこのサイクルが加速。
高齢者を歯科医院でみるにあたって見かけたことがある
・ふらつき
・転倒による骨折
へとつながり、身体機能障害や要介護状態との関連性へとつながるわけです。
☆転倒→医療事故→訴訟の流れに繋がって
みなさんおなじみの医療事故調査支援センターの問題につながることができますし、
こうならないよう常に患者様への対応に
気をつけるわけです。
(転倒防止のストラップをつけて、スタッフ間で常に注意をはらっている歯科医院も多いようです。)
(補足) 参考問題 111 A-19
患者の「予期せぬ死亡」が発生した場合に、医療事故調査制度に基づいて医療機関が医療事故を報告する先はどれか。1つ選べ。
a 警 察
b 保健所
c 厚生労働省
d 医療事故調査等支援団体
e 医療事故調査・支援センター
解答 e 医療事故調査・支援センター
なので、こうならないよう常に患者さんに栄養をとらせることが大事になってくるわけですね。
(補足)
高齢者の低栄養の要因として以下が挙げられます。
1.社会的要因
独居、介護力不足、☆ネグレクト、孤独感、貧困
2.精神的・心理的要因
☆認知機能障害、うつ、☆誤嚥・窒息の恐怖
3.加齢の関与
嗅覚、☆味覚障害、☆食欲低下
4.疾病要因
臓器不全、炎症・悪性腫瘍、疼痛、
☆義歯など口腔内の問題、薬物副作用、
☆咀嚼・嚥下障害、日常生活動作障害、
消化管の問題(下痢・便秘)
5.その他
☆不適切な食形態の問題、
栄養に関する誤認識、
☆医療者の誤った指導
※ ☆は個人的に国試に関係してそうなところです。
今回は割愛しますが、☆の箇所に関して自分でもう一度確認してみてください。
また、食事摂取基準として、
高齢者(65〜74歳)
身体活動レベルに合わせて、
♂
I→2050
II→2400
III→2750
(単位:kcal/day)
♀
I→1550
II→1850
III→2100
(単位:kcal/day)
☆高齢者(75歳〜)☆
♂
I→1800
II→2100
♀
I→1400
II→1650
(単位:kcal/day)
ちなみに覚えやすいように、
I→ほとんど座って1日過ごす。ベッドから起き上がれない人とか?デスクワーク。
I I→座るには座るけど、通勤、買い物、家事OKな人。(ってことはIADLが平気そうな人だな?!
ここでIADLとかADLがごちゃんな人は、ちゃんと復習しておいてくださいね。)
III→運動良くする人。
と、暗記項目を自分の言葉で、自分がわかりやすい文章にしておぼえたりイメージするのもいいかもしれません。
さらに、カロリーも
2050!2400!2750!はい!覚えた!って、単純に覚えるのもやめてくださいね。
覚えやすいように例えば、1日24時間、2400kcal
それに2400は3の倍数だから プラマイ300で
I→2100、III→2700だな、、って感じでいいんです。 ラフにいきましょう。
ちなみに75歳以上にどうして☆をつけたかは考えてみてくださいね。
「他の科目で75歳、というと後期高齢者だな。。」
ということは医療保険でも問われやすい。
だからこういうよくきくワードについては掘り下げなくちゃいけないな。
という風に連想してみてください。
きっと問題を解くのも楽しくなるはずですよ。
②公衆衛生・口腔保健学
介護予防のために、
最近ではフレイル・オーラルフレイル対策を
かかりつけ歯科医が担当したり、発見する機会が増えてきました。
ですから国家試験でも、これらを重要視する問題が多発。模試でもよく見かけるようになったわけですね。
少し、ここのへんに関してもまとめてみましょう。
まずは、オーラルフレイルの概念図を参考に
字面に書き起こしたこちらについてまとめてみましょう。
第1レベル :口の健康リテラシー の低下
(原因)
・社会的フレイル
・精神心理的フレイル
・自発性の低下
(結果)
・不十分な口腔健康への関心
・歯の喪失リスクの増加
第2レベル:口のささいな トラブル
(原因)
・滑舌低下
・食べこぼし
・噛めない食品の増加
・むせ
(結果)
→食品多様性と食欲↓
第3レベル:口の機能低下
(俗に言う、これが☆口腔機能低下症として保険で点数がとれるものです!!)
(原因)
・口腔不潔・乾燥
・ 咬合力低下
・口唇・舌の機能低下
・咀嚼機能・ 嚥下機能低下
(結果)
→低栄養・サルコペニア
第4レベル:食べる機能の障がい
(原因)
・咀嚼障害
・摂食嚥下障害
(結果)
→栄養障害、運動障害→要介護に!!
cf.オーラルフレイル概念図 2019年版 出所:公益社団法人日本歯科医師会「歯科診療所におけるオーラルフレイル対応マニュアル2019年版」
このレベルごとにぼくたちは患者さんに接していくことが求められているわけです。。
①レベル1: 口の健康リテラシー の低下に対して
1.後期高齢者に対する保健事業
〜都道府県後期高齢者医療広域連合からの
市町村委託〜
これに対しては、フレイル予防として
歯科医師は、集団教育をDHを派遣することで
・口腔健康に関するおはなし
☆お口の体操の指導(嚥下体操とかですね!
これに関しては別の回でリハビリをまとめていこうと思います。)
・歯科医療機関への受診勧告
を
後期高齢者を含めた
☆すべての高齢者に対して行っていきます!
自己啓発セミナーのような感じです。
2.介護予防・日常生活支援総合事業
基本チェックリストに
☆該当しないすべての高齢者☆を中心に
集団教育、運動栄養口腔を組み合わせた
☆介護予防教室を何回かおこないます。
つまり、歯科医師は運動、栄養についても
指導しないといけない!ということでしょうね。
実施主体:市町村
対象者:65歳以上のすべての高齢者
事業内容:口腔の介護予防に関する教室、
講演会実施、パンフレット作成などなど。
②レベル2: 口のささいな トラブル
ここからが肝心です。
1.後期高齢者に対する保健事業
これはレベル1と同様です。。
2.介護予防・日常生活支援総合事業の
介護予防・生活支援サービス事業
通所型サービスC、短期集中予防サービス
これが大事です!!
ここでは、
☆基本チェックリスト該当者、
要支援者を対象者で、
3〜6ヶ月間、口腔機能向上のためのプログラムを
DH、ST、RDたちによって通所の形でうけるか、
もしくは歯科医院に紹介して個別で指導をうける、、といったものです。
ここで、基本チェックリストについて確認を軽くしておきます。
☆基本チェックリスト
ざっくりまとめると、65歳以上の高齢者が介護予防にならないようにチェックリストを回答して
それに合わせた施設で管理していく、、というものです。
項目として、
((ADLやIADL!))
・バスや電車で、一人で外出していますか
・日用品の買い物をしていますか
・預貯金の出し入れをしていますか
・友人の家を訪ねていますか家族や友人の相談にのっていますか
((運動、転倒関係!))
・階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか
・椅子に座った状態から何もつかまらずに立ち上がっていますか
・15分位続けて歩いていますか
・この1年間に転んだことがありますか
・転倒に対する不安は大きいですか
((栄養))
・6ヶ月間で2kgから3kg以上の体重減少がありましたか?
身長(cm)と体重(kg)およびBMIは?
☆口腔☆
・半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか
・お茶や汁物等でむせることがありますか
・口の渇きが気になりますか
((引きこもりしてない??))
・週に1回以上は外出していますか
・昨年と比べて外出の回数が減っていますか
((認知機能))
・周りの人から「いつも同じ事を聞く」などの物忘れがあると言われますか
・自分で電話番号を調べて、電話をかけることをしていますか
・今日が何月何日かわからない時がありますか
((鬱、精神的))
・(ここ2週間)毎日の生活に充実感がない
・(ここ2週間)
・これまで楽しんでやれていたことが楽しめなくなった
・(ここ2週間)以前は楽にできていたことが今はおっくうに感じられる
・(ここ2週間)自分が役に立つ人間だと思えない
・(ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする
といったように質問項目を分類することができ、
☆☆今後は問題にこの項目が並び、
どれにあてはまるか?何を求めているのか?
この項目に問われたら、どこへ紹介し、
歯科医師としてどういった対応をせまられるのか。。☆☆
といったことを予想しながら問題を作ったり、
知識を深めていけるとさらにいいですね。
☆ちなみに口腔の項目、
☆口腔☆
・半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか
・お茶や汁物等でむせることがありますか
・口の渇きが気になりますか
に関しては、
2項目以上で口腔機能低下と判断できるので覚えておきましょう。
1項目のみであれば嚥下体操など結局、自己啓発的な対応とかになりそうですよね!!
これに関して判断させてどう処理していくかみたいな問題が作られてもおかしくはないです。。
☆☆☆☆☆
③ 第3レベル:口の機能低下に対して、
これが今回の一押し、です!
1.後期高齢者に対する保健事業 (都道府県後期高齢者医療広域連合からの市町村委託)
市町村がDH、ST、RDたちを在宅等に
派遣(☆アウトリーチといいます!)し、
個人ごとの課題に応じた助言や指導を行います。
低栄養状態や誤嚥性肺炎のリスクが高い方、
閉じこもり傾向の人、
後期高齢者の質問票内容、
要介護度、
歯科通院状況
といったものについて該当者に対して
アウトリーチしていきます!
・実施主体
→市町村(都道府県後期高齢者医療広域連合からの委託事業)
・対 象 者
→市町村が設定した抽出基準に該当した人
・事業内容→歯科衛生士を在宅等に派遣し、口腔の課題に応じた助言指導。
訪問歯科健診事業や訪問歯科診療を行う歯科医療機関との連携もおこないます!
2.後期高齢者の被保険者に係る訪問歯科健診
対象者
医療機関への通院がむずかしく、
歯科健診を受診できない
後期高齢者医療制度の被保険者
歯科医師による訪問歯科健診を実施することができます。
・実施主体
→後期高齢者医療広域連合による
直接実施または市町村(広域連合からの委託事業)
・経費負担→
後期高齢者医療広域連合が負担(市町村に委託実施する場合)
・対象者
→通院による歯科受診がむずかしい
☆要介護3以上の後期高齢者医療の被保険者
・健診内容
→問診、口腔内診査、口腔機能の評価などなど!
そして、この問診ですが、
口腔機能低下症といったものを診断するのに
特に大事です。
今回の114回歯科医師国家試験では、
この口腔機能低下症の検査項目の検査の
グミゼリーは今回の出題委員の先生が導入したみたいです。
なのでここについてもいずれは整理してみてもよいでしょう!
〜口腔機能低下症〜
口腔衛生状態不良
口腔乾燥
咬合力低下
舌口唇運動機能低下
低舌圧
咀嚼機能低下
嚥下機能低下のうち,
3 項目以上該当する場合に口腔機能低下症と
名付け、6ヶ月ごとに再評価を口腔機能精密検査を行って治療を進めていきます。
〜口腔機能低下症の項目について〜
・口腔衛生状態不良
→ 舌苔の付着程度 50%未満!
舌を9分割して自分なりに舌苔の評価を
してみよう!
・口腔乾燥
→ 口腔粘膜湿潤度27未満!!
唾液量 →2g/2分以下!!!
(ムーカスなど、機械をみてなんの検査に
使うものかもう一度確認しなおそう!!)
・咬合力低下
→ 咬合力検査:200N未満!(プレスケール)
残存歯数:20本未満!(cf.8020運動)
プレスケールに関しては、
※高齢者の出題委員の先生が大学の
近くの住民に対してコホート研究して
咬合力とフレイルの研究をしていたので
注意しよう。
・舌口唇運動機能低下
オーラルディアドコキネシス
/pa/ 回/秒
/ta/ 回/秒
/ka/回/秒
どれか 1 つでも, 6 回/秒未満
(補足)
113回歯科医師国家試験
113 D-27
オーラルディアドコキネシスで評価するのはどれか。1つ選べ。
a. 弾 音
b. 通鼻音
c. 破擦音
d. 破裂音
e. 摩擦音
正解 d 破裂音
・低舌圧→舌圧検査
30kPa未満 100mg/dL 未満
※舌圧くんも、もう一度おさらいしたおこう!
・ 咀嚼機能低下
→ 咀嚼能力検査100mg/dl未満!、
咀嚼能力スコア0、1、2!!!
(先程のグミゼリーです!写真でみてどれくらいの
大きさがスコア0、1、2に当てはまるか確認しておきましょう!)
(補足)
嚥下訓練食は今回、
114 A-38でも問われたことがあり、
これも関連事項として確認しよう。。
cf. 日本摂食嚥下リハビリテーション学会の
嚥下調整食分類2013
・嚥下機能低下
→嚥下スクリーニング検査 (EAT-10) 3点以上!、
自記式質問票 (聖隷式嚥下質問紙)
※こちらの質問項目についてもチェックリスト同様まとめておこう!
3 項目以上該当で「口腔機能低下症」と診断と
する!!!
※診断までが歯科医師の仕事ではなく、
その後管理計画書を記載して管理を継続
していくことが急務である。
まず、以下の全身の状態についてチェック。
1 基礎疾患
2 服用薬剤
3 意識レベル
4 認知機能低下
5 肺炎の既往
6 体重の変化
7 体格指数(BMI)
8 食事形態
9 食思不振
続いて、口腔機能の状態!
口腔機能低下症の上の項目に加えて、
歯・歯肉の状態が
プラーク付着があるのかないのか?
歯肉の炎症はあるのかないのか?
歯の動揺があるのかないのか?
口腔内・義歯の状態はどうなのか?
についても管理していく必要がある。
また、口腔機能管理計画についても、
1 口腔内の衛生
2 口腔内の乾燥
3 咬む力
4 口唇の動き
5 舌尖の動き
6 奥舌の動き
7 舌の力
8 咀嚼の機能
9 嚥下の機能
の9項目が、
☆☆問題ないのか?
機能維持を目指すのか?
機能向上を目指すのか?☆☆
((個人的な感想))
今後の国家試験の臨床問題は
写真で所見を取らせた上で
口腔機能低下症に対しては、
選択肢に機能維持でいいのか?
向上すべきか?問題はないか?
などなど、、
しっかりと歯科医師として治療方針を固めることができる力が問われるようにぼくは思います!!
以上、長くなりましたが今回はこの内容で終わりにします。
受験生のみなさんも、自分なりに栄養やフレイルに関してホットな話題、まとめてみてくださいね。
また、実際に問題を解きながら他にはどんな疾患が考えられるのか生徒と先生が話し合いながら一つの問題からたくさんのパフォーマンスを引き出し、歯科医師国家試験という連想ゲームを楽しみながら受験生活を送ることが出来るかと思います。