(大阪歯科6年)大歯の卒試は、国試とは逸脱した問題多々&科により国試と傾向が大きく異なる。。。大歯の生徒は、卒試と国試という「異なる」試験を受けるために、二重の負担をかけられています。6年は疲れ果てています。。。大歯の低学年の方も、早めに知って対策しておくべきです。~デンタル国進~学士2の再試個別対策を現在実施中(お問合せはお電話にて)大阪校代表 (072)668-6905

大歯の卒業試験には、良問もしっかりあります。卒業試験の方向性が違うと言っても、それは必ず復習しなければならないです。

しかし、あまりに多くの、国試とは逸脱しているであろう問題が散在している&科により国試と傾向が大きく異なる(=少なくとも歯周科の問題に偏りがある、インプラントが明らかに国家試験より多い)ことには、疑問を感じざるを得ません。

結果、大歯の6年は、卒試と国試という「異なる」試験を二つ別に、しかも同時期に学習しなければならないという、非常に非効率的な負のスパイラルにはまり込んでいるように見えます。大歯の振るわない国試の実績は、一つには、この卒試と国試の乖離に原因があるのでは、と感じざるを得ません。このブログにより、少しでも、その「異なる」が「同じ」に近づくことを願っています。

典型的な国試と逸脱している問題を、以下に列挙していきます。

まず挙げられるのは、学士2の傾向分析でも挙げましたが、ブループリントに載っていない選択肢を正解で選ばせる問題です(ブループリントという国が定めた国家試験の出題記事に即していない選択肢があるという意味です。)

若年性の歯槽骨吸収が問題になるのはどの疾患か?
答えが、エーラスダンロス症候群、チェディアック東症候群、パピロンルフェーブル症候群でした。他の選択肢はメジャーだったため、正攻法でパピロンルフェーブルを選び、残り4つから消去法的にエーラスダンロス、チェディアック東を選んでいるなら問題ないのですが、授業でチェディアック東症候群について触れていたそうです。なので正攻法でチェディアック東が選べてしまうという感じです。これは方針がややおかしい気がします。(教科書に載ってるものは何でも問うてokは非効率です。)基礎系問題の難易度が高すぎて何が問いたいのか分からない問題があります。

分泌アミノ酸の構造図が描かれており、そこからRGD配列を選ぶ問題ですが、「図からRGDのを予測出来た人はいるのか?」というくらいの驚きの内容です。

〇同じく「軟化象牙質に当たるのは、病理学での象牙質齲蝕分類のうち、どの層がそれに当たるか?」という設問がありました。病理学の教科書には、「病理組織の分類と臨床的な分類の軟化象牙質がどのように対応するのかを、一義的に決めるのは困難」という趣旨の内容が記載されていました。今回の選択肢は明らかにダメになっている組織と大丈夫な組織という形に選択肢になっていたので、正解を導く事は可能ですが、定義が曖昧なものを問うというのは、どうなのかと思います。諸説あり、明らかに答えが決まらないようなタイプの問題は、国家試験では問われにくいはず(仮に出題されれば、ツッコミが入り、削除や不適切問題になる可能性が高いです。)

〇エンドの問題ですが、根幹通過法に関する設問がありました。教科書には記載されています。しかし実際にポリクリで見たことある方はいるのでしょうか? もしそういう学生が少ないなら、今の国家試験の難しさとは質が違います。細かい知識やマニアックな知識を要求されるのではなく、日常的によく行う様な手技や診療でも「何故そうするのか?」を分かっていないと間違えるという難しさがあります。(要するに表面にある知識だけ集めただけでは、太刀打ち出来ないような問題設定になっており、細かい知識は問われてるものの、知っていれば取れる卒業試験と難しさの質が違うということです)

癌性疼痛の設問で、正解が鎮痛補助薬を使うという内容ですが、これは緩和ケア講習修了者には当たり前の事ですが、学生の試験で問うとなると、やや厳しいとおもいます。勿論消去法で、これ以外残らないなら別に問題ないのですが、この設問の他の選択肢に微妙なものが多く、正攻法でこれだけを選ぶというのは方向性が違う気がします。

臨床実地問題は写真がないのでなんとも言えないですが、明らかに「?」な問題もあります。
設定は83歳女性。認知症で要介護4。習慣性の顎関節脱臼で来院。Borchers法を適応したが上手くいかなかった。次に何をすべきか?
正解が「全身麻酔下での徒手的整復」になります。これは口腔外科の教科書に確かに記載されています。しかし背景の設定を考えると「本当にするのか?大丈夫なのだろうか?」というツッコミが出るのが当たり前です。ですから、これもやはり知っていないと解けない知識問題になっており、やはり今の臨床実地問題とは方向性が違う気がします。(今の問題は背景を踏まえて、そのケースで最も適切なものを考えるのが主流です。)

歯周外科の問題は、何故か数が半端なく多いです。この点も既におかしいですが、「骨膜減張切開が必要な術式は?」という問題や、「widman改良フラップ手術の切開線はどれか」などは学生レベルでは知っていなければ解けないのではと思います。やはりこれも細かい知識を問い過ぎている感が強いです。

一般内科や悪性腫瘍全般は、やはりボリュームが少ないです。

〇また最近話題になりやすい単元(ARONJ絡みなど)に不足がある気がします。