医歯薬大学には、基本6年間の学業期間があります。6年もあるのか!と思われるかと思いますが、6年間をよく見てみると、面白い傾向に気づきます。
それは4年のCBTの合格得点%を見ると、ほぼその後(=5、6年)の学力/順位は変わらないということです。
もしCBTをぎりぎりでパスした方がいたらどうでしょうか?卒試は国試よりも難しく設定されているので、まず卒試に落ちることが予想されます。国試も浪人を繰り返したりして、合格するか、諦めるかが見えますね。
考えてみれば、大学受験も同じで、高1&2で順位はほぼ決まってしまいます(高3では順位は浪人が入ってくるため、下がってしまうことの方が多いですね。)
歯学部の話に戻ります。つまり6年もありますが、実際には4年のCBTの順位がその後も変わらないとすると、大学1~3年でほぼ決まってしまうと断言してもいいでしょう。
これは怖い話ですね。つまり国試浪人は、なぜ基本合格が難しいかが分かります。国試浪人生が、場合によってはなぜ多浪になってしまっているのか?しかも優秀な大手予備校の一流の授業を受けているにも関わらず、なぜ毎年合格できず、予備校をたらいまわしになるのか?それは1~3年の基礎系の学力が足りない/ないからでしょう。多くの場合、間違った知識を形成してしまっており、ご本人たちも気づいていない場合があります。勝負期間は過ぎてしまっており、国試の浪人という印を押されてしまっているのに、それでも予備校を巡っていく。。。
国試多浪の方になると、実は知識量自体はかなりある場合がほとんどです。しかし、自分が嫌いな分野は対策しなかったり、我流が目立ちます。しかも多くの場合、間違った知識を形成しています。。。今の国試は100%応用問題。どこかに苦手な分野があり、対策していないと不合格になります。
では国試浪人の方はどうしたら合格できるのでしょうか?もう一度、1~3年の内容に戻るしか方法はありません。しかもそれを一つ一つ確認していく作業を繰り返すしかないのです。
国試の勝負は2浪までで、3浪以上になると合格は難しいと一般に言われています。不合格になる方の点数を見ると、2~6点足りなくて不合格になる方が多いのです。そうすると「2~6点ならば来年合格できるはず!」と親も本人も思い、前年度と同じ勉強をして受験しますが、なぜか前年度より合格点が下がり7点-。。。翌年も同じ結果。。。このようにして多浪は作られていくのです。
実は不合格になった国試得点の結果が、あと2~6点だから来年は合格するはず!ではなく、膨大な知識の中に2~6の間違った知識があると考えるのが正しい考え方なのです。膨大な知識の中から、ほんの少しの間違った知識を探し、修正する作業を怠り、他分野で点を稼ごうとする。。。でも結局間違った知識が引き金になり、合格点に達しない→だから毎年合格できない。。。これが国試多浪が増えるメカニズムなのです。国試2浪以上になったら、これは理解しないといけません(1浪目なら確かに、知識量が不足していただけの可能性がありますけどね)。
もしコンピューターのデータが2~6か所壊れていたら、起動しませんよね?あれと同じ原理です。たった2~3ではないのです。その2~6の間違った知識があるために、毎年数点で不合格を繰り返すのです。ことは深刻です。例えると延々と砂漠の中の2~6のなくしものを探す感じでしょうか。暮れても暮れても、見つかりません。数週間でやっと1つ見つかった!という感じです。こんな根気のいる作業に多くの国試浪人者、特に多浪は耐えきれません。ですから1年でパスしようとして、表層的な対策に走り、毎年数点足りなくて失敗するを繰り返しているのです(しかも国試が終了したら、その表層的な知識もリセット。翌年からまた0スタートです。国試多浪で実践問題集を延々と繰り返している方はだいたいこのパターンです)。つまり国試浪人の場合、1浪までなら1年の集中的な予備校・塾の個別で対策すれば合格できる可能性があるが、2浪(特に3浪以上)以上になると、2年をかけて個別対策するぐらいでないと、なかなか合格しません(1年目は基礎系科目の知識の確認、2年目に問題演習)。2浪以上の人には2年もかけたくない、1年で合格したい!と思っているから、致命的な2~6個の間違った知識に目を向けずに、ひたすら実践問題集で表層的な知識で得点を稼ごうとするため、ずーっと合格しない可能性が大です。
では現役の歯学部生で進級に苦労している方は、国試浪人から何を学ぶことができるのでしょうか?「もし学力にゆとりがないならば、大学1年から個別の塾の指導を受ければよいのです(遅くても4年生での入塾が必要です。4年はCBTがあるので、基礎系の科目を復習する最後の年になるからです)。」低学年からの塾でのマンツーマン指導が最も確実に国試を合格する方法です(下の学年であればあるほどよい。)。
低学年で基礎学力を作っておけば、留年したり、国試浪人することはなくなるのです。
現役の歯学部生が狙うべきは、学年の上位層。できるだけ低学年から個別の塾に入り、毎回定期テストの度に順位を上げてゆくのです。入塾した時は、学力的に低くても、数年後には上位層にいるようにするのです。これが最も確実な国試への合格法です。
「今年留年するかも!?」なんて言っている方は、進級どころか、国試に合格できない可能性があります。歯学部は、国家免許が取れなければ、ただの歯に詳しい人。。。食べていくのが厳しいでしょう。