昔は愛知学院[歯学部]と言えば、東海地方トップレベルの大学でした。
しかし今では違います。愛知学院は凋落しました。偏差値も58レベルからどんどん落ちて、今では50を切るほどです。国試の合格率も大きく下がりました。そのため、入学人気も下がり、低レベルの学生が大量に来るようになりました。今では、受験すればほとんど入れるほどです。
昔の愛知学院の学生は、優秀な生徒が集まり、国試も楽だったので、在学中から就職後の実技の練習をするぐらいの余裕がありました(現在60歳代の歯科医師の方々が、自分で歯科技工士の業務をやれる最後の世代でしょう)。学院は、生徒たちには部活を積極的に勧め、まさに文武両道の世界だったのです。
ところが、今は昔とは比較にならないほど国試も進級も難しくなっているのに、入塾する生徒の多くの学力は昔よりはるかに低いのです。親子で愛知学院というパターンも多いですが、親の時代とお子さんの愛知学院では別物なのです。
愛知学院は、今焦っています。このままでは、凋落してゆくだけだと。。。
学院の焦りの一つの表れが、6年の病院実習の撤廃です。以前は学院の6年生で、1年の半分が病院実習でした。つまり愛知学院の6年生が国試の学習を開始するのは、6年の秋以降の半年だけだったのです。しかし今では、愛知学院の6年における病院実習はなくなり、6年生の1年間を全て国試の学習にあてるようになっています(保護者たちにそうするように言われたのかもしれませんが。しかしそれを受け入れるぐらい追い詰められているのは間違いないでしょう。)
朝日大学は、以前は愛知学院よりも、はるかにレベルが低い大学でした。朝日というだけで、低レベルと愛知学院からバカにされていたものです。
朝日は、昔の話ですが、明海大学とともに、企業に買収されて、企業的な努力で、コストカットに励み、学費が年間300万を実現しました。そして企業的なやり方ですが、ひたすら怠けさせない(=スパルタな)カリキュラムにシフトしていったのです。朝日の国試の成績は目覚ましくアップしました。編入も積極的に受け入れ、学力のある生徒をどんどん受け入れ、競わせる方式に切り替えました。ですから朝日の学力のない生徒は悲惨です。しかしできる生徒は成績上位層となり、毎回テストでも高得点を連発しています。
今では、朝日の国試の成績は、愛知学院と並ぶか、それ以上になっています(表の実績では朝日は愛知学院の下になっているかもしれませんが、実際の国試の実績は朝日の方が上です)。
愛知学院では、生徒や父兄にはっきりとしたテストの得点や順位を教えないため、留年でもしない限り、親も生徒もほわーっとしていて、留年しそうなのに、部活ばかりしているという?なことを目の当たりにすることが多々あります(中には何度留年しても、ほわーっとしている場合もあります。)しかし留年するという事実は、それだけ金銭負担をかけるだけでなく、今後は下手したら、歯科医師免許を取得できないかもしれない、という事態に繋がりかねません。愛知学院では、2020年度から現行の70%のCBTの進級基準も、5年以内に75%にしてゆきます。つまりは合格率60%に向かう国試に合わせて、進級を一気に厳しくしてゆくと思われます(これはCBTのある4年に限りません。全ての学年が厳しくなるでしょう。)親は学院の卒業生が多く、昔は進級など簡単だったため、「いくら進級&国試が難しくなったとは言っても、まあなんとかなるんじゃないの」ぐらいの甘い気持ちでいる場合が多々ありますが、これは完全な間違いです。あの大阪歯科でも、今の4年生から厳しく落とす、と宣言しているほどです。今の歯学部は、生存競争の修羅場なのです。今歯学部にいること自体が人生を賭けたもの、つまり「何年も留年しながら通ったのに、退学になってしまった」、「国試に何年経っても合格しない、どうしよう。。。」といった行き場のない人間を大量に作り出す場所になってしまっているのです。歯学部こそは、まさに「潰しの効かない」学部なのです。もし最悪な場合を想定すると、免許を取れなかったら、「単なる歯に詳しいニート」になってしまうのです。今の国試は合格者を抑制するため、残念なことですが「意地悪=悪意のある」問題を出します。なんとかして、受験生を落とそうとします。100%応用問題です。親の世代の方が、今の国試の問題を見たら、チンプンカンプンなはずです。そんな過酷な場所にお子さんはいるのです。
朝日は、以前は愛知学院をライバル視し、真似してきました。しかし今や学院を超えたので、それをやめています。今朝日が、意識しているのは、東京医科歯科大学です。そこから指導研究者を招き、カリキュラムの改変を、毎年行い、進級を厳しくしています。
例えば、朝日は、基礎臨床を1~4年まで取り入れています。これは学年末の最後にテストがまとめた行われますが、その学年の科目全てが、1日のテストで問われる実力テストです(午前と午後に分けて実施)。基礎臨床に落ちると、他の定期試験が落ちていても、留年になります。 他にも、本試&再試の合格点を70&80点にしたのも改革の結果です。朝日の今のカリキュラム改変の目的は、とにかく生徒をだらけさせないこと&学力の低い生徒を確実に落とすこと。ひたすら学習させて、1年から厳しく、進級すればするほど厳しくするシステムにする。いわゆるスパルタ式カリキュラムです。
愛知学院は、今後留年を激しく増やしてゆき、スパルタ化してゆくしか道はないでしょう。つまり愛知学院の朝日大学化です。