留年する人(=要領の悪い人)の2パターン(1つのパターン=過去問(あるいはその情報)なしに自分1人で教科書の範囲を最初から最後まで学習している人、もう1つのパターン=実習のレポートに必要以上の時間をかけすぎ、科目の学習に十分な時間を使えない人)

毎年、留年が決まって入塾する生徒さんたちが多くいますが、見ていて、だいたい二つのパターンがあるのに気づきました。

(1つ目のパターン)
過去問(あるいはその情報)なしに、自分だけで、教科書の範囲を、1人で最初から最後まで学習している人です。これは建前上は正しいのですが、実際には教科数が膨大であるため、そんなことをしていたら、全ての教科に手が届かずに、どれか後してしまい、留年が確定してしまいます。まずは、過去問、あるいはなければ、その情報を仕入れて、学習していく必要があります。

(2つ目のパターン)
実習のレポートにこだわりすぎて、必要以上の時間をかけてしまい、肝心の進級に関わる教科の学習に、十分な時間がかけられない人です。実習のレポートは、事前に学習のできる友人と話し合い、70%ほど書くべき内容を決めておきます。当日実習の時に、残り30%ほどを、学んだことを折りまぜて、さっさと書いて、提出しておけばよいのです。事前に準備したレポートは、当然内容的にも、しっかりとしているため、いい成績をもらえます。しかし建前にこだわり、実習の時のみに、書くことを考えている人はいい成績をとれません。要領が大事です。実習のレポートは体裁さえ、整っていれば、さっさと済ませるべきものです。

上の二つを見て考えると、進級に大事なポイントが見えてきます。それは大学に入学後の学習は「情報戦」であるということです。高校までは知識量が少ないため、自分1人でやっていても問題がなかったのですが、医歯薬ともなれば、入学後に学ぶ科目の知識量は膨大です。科目数も、正直なところ、自力でこなすには、とてもやりきれないほどの分量があります。大事なのは、「学習のできる人とアクセスができ、質の高い情報をinputできる環境にあるか」ということです。試験直前に、どうしても時間がないときは、学習のできる友人がいれば、自分が教科書を読まなくても、ポイントをその人に解説してもらえば、自力でまとめる手間が省け、その科目はパスできるではないですか?

留年すると、このような優れた環境は失われてしまいますよね。ですから、留年しない最大の利点は、学費を損しないで済むということもありますが、それ以上に「学習のできる友人たちとアクセスできる環境を維持できるため、モチベーションが失われず、その後無事に進級できる可能性が高まる」ということです。つまるところ、留年を繰り返す人は、「学習のできる友人が回りにいない」ということに、尽きるのではないでしょうか?このような友人を失わないためにも、留年しないのは、大事だと思いませんか? もし、留年をしてしまい、環境が失われているなら、予備校・塾に入るのは、非常に有効な手段です。塾の先生は、学校の同級生とは比較にならないほど、「学習ができる友人」であるのは、間違いないのですから。