(大阪歯科6年)卒業試験分析~学士1の2回目までが、ほぼ国試の過去問レベル。以降は臨床的&応用レベル。学士1の2回目までで、十分に得点出来ないと、落ちますよ。。。

学士1の2回目までが、国試の過去問か少し改造したもの。学士1の3回目は、より臨床的になった内容。学士2は、学士1の3回目をより発展させた内容。つまり学士1の2回目までがまともに得点できないのに、それ以降の試験で高得点を取るのは非常に難しいということです。。。

学士1+2回目までと国試の過去問の類似性について、調べてみるとやはり国試の過去問を少し変えただけの問題が多いです。

つまりここを確実に得点することが、大歯の卒業試験をパスするコツなのです。

学士1の3回目以降は応用問題。。。

つまり。。。

結局国家試験まで早くたどり着きたければ、勝負は学士1の1回目からすでに始まっている事を早く意識してください。学士1の2回目までを十分に得点出来ずに、後から挽回するのは、基本ありえません。勝負は最初で決まるのです。

「簡単な最初で十分に得点出来ない人が、どうして応用段階に入った試験をパス出来るのか?」ということです。

今回は。。。

ポイントとなる学士1の2回目までが、国試の過去問を少し変えただけであることを見てみたいと思います。

今回は対策しづらいであろう「口腔外科」の範囲について分析しました。卒業試験(今回は口腔外科範囲に絞る)の問題と実際の国試の過去問(同範囲)との比較です。

以下は、具体的な問題番号、内容を記載したものです。前半が学士1の2回目まで。後半が学士1の3回目+学士2です。面白い分析ではないでしょうか。

1-1A27
これはもはや過去問を解くために必要な問題です。しかし正答率は34%程度です。MCVやMCHとMCHCの区別が出来ていないから正答率が低くなったと思われます。必ず、日本語も意識して覚えるのが重要と思われます。
1-1A32
トリアージの問題です。112A27とほぼ同じです。
1-1A40
バイオハザードマークと処理の問題ですが、必ず衛生か基礎にに類似問題があるはずです。ほぼ過去問そのままです。
1-1A46、1-2B3
これについては麻酔中の呼吸状態の問題に帰着できます。107A115とほぼ同じです。後者は全く同じです。
1-1A47
これは下顎大臼歯部へのインプラント埋入の内容ですが、実質下顎8の抜歯と同じです。過去問としては101C14、103A120が対応します。111C58がそれの少し発展系です。
1-1A72、1-1B55、1-2B75
急性膿瘍への対応ですが、炎症範囲に必ず載っている内容です。
1-1B8
PT-INR値と手術可否の問いですが、103C-78が類似しています。この問いをしっかり解いていれば必ず分かる問題です。
1-1B33
糖尿病患者への抜歯に対しての注意ですが、112B36とほぼ同じです。
1-1B37、1-2A30はいずれもワルファリンと併用禁忌の薬についてです。ミコナゾールは2016年から禁忌になったのでそれさえ知っていればすぐ分かる選択肢です。
1-1B50、1-2A74
唾石の摘出と偶発症です。112D62とだいたい同じ内容です。
1-1B59、1-1D22
局所麻酔薬に血管収縮剤を入れる理由とその成分ですが、105C78、105A70が類似問題です。
1-1C8
感染性心内膜炎の問題ですが、105A115がほぼ同じです。
1-1C34
プロドラッグ化する目的です。以前ロキソプロフェンで同じ内容の出題がありました。
1-1C59
血友病と検査値の内容ですが、113D23とほぼ同じです。
1-1C61
大球性貧血の問題ですが、貧血の分類で必ず整理する内容と思われます。
1-1C89
ウイルス性感染症とその治療ですが、ラムゼイハントなどの所で出て来る基本内容です。
1-1D43
がん患者の苦痛とその緩和ですが、どちらかというと衛生内容に近い内容でした。考えれば必ず解ける問題で、類題もあったはずです。
1-1D47
APTTが延長する疾患は?という問題です。113D23と109A59を合わせただけの問題です。
1-2A39
アスピリンと出血時間の内容です。過去問ではあまり問われてないようでした。強いて言えば97D6ですが、解説には書かれているはずの内容です。
1-2A53
aronj関連ですが、104A94や109D40と近いです。
1-2A68
ACCの特徴の問題です。古い問題にほぼ同じのがあったはずですが、その他111でも問われており、解説には必ず載っている内容です。
1-2B12
アルドステロンの作用ですが、90B43その他に出ています。これもかなり似ています。
1-2B60
貧血の分類です。98A48など昔から出ている内容です。
1-2C6
肝障害による止血異常ですが、106B48とそのままです。
1-2C13
血友病と製剤の内容です。113D23の応用ですが、血友病の病態がわかっていれば全く問題なく解答出来るはずです。
1-2C21
アドレナリン反転の問題です。113D23に出ています。ほぼ同じ問題です。111回にも出ているので、過去問の理解で差が出ます。
1-2C89
ワルファリンのモニタリングについてです。103C78の応用です。
1-2D54
がん性疼痛とオピオイドの内容ですが、過去問にあった問題の類題でした。
1-2D64
遊離皮弁での再建の問題です。再建の問題は101B76とその他数問しか過去に出てないので、必ず過去問集に収録されています。
しっかり演習したかで差がつく問題でした。
このように学士1の2回目までは少し応用する程度で解けますが、3回目からは違います。どのように変わるか見ていきます。
1-3B29
シェーグレン症候群とミクリッツ病の鑑別ですが、これは知らないと解けないと思われます。シェーグレンと聞いて抗SSA、SSBと条件反射みたいに考える学生は要注意です。
1-3B46
aronjの原因薬ですが、選択肢に他の分子標的薬が並び、キチンと正しく名称を覚えてないと引っかかるかもしれません。しかも大抵が抗悪性腫瘍薬なので悪性腫瘍を扱っていないと馴染みがない物も多くやや苦戦するかもしれません。
1-3B48
帯状疱疹後の疼痛治療薬についてです。プレガバリンは選べるでしょうが、ある種の抗鬱薬が鎮痛補助になることを知らないと消去法以外で解答できなくなります。(ただしきちんと勉強している学生はそれで選べる選択肢です。)教科書には記載がありますが、そこまできちんと読み込んでる学生は少数と思います。やはり一筋縄ではいかない解いです。
1-3B59
分子標的薬を選ぶ問題でした。セツキシマブが解答です。悪性腫瘍を扱ってきた者からすれば当たり前なのですが、学生レベルでは難し目と思います。しかし、ここ最近の国家試験の外れ選択肢にセツキシマブはでています。なので外れ選択肢の吟味はやはり重要です。ちなみに頭頸部癌適応の薬です。
1-3C48、81
出血時間、APTTが延長する疾患を答える問題です。これは割と過去問通りですが、問われる角度が様々と言う事は理解しておいて下さい。
1-3C86
シェーグレン症候群患者に処方する薬を選ぶ問題です。ただし、シェーグレン症候群というのは抗SSA抗体と臨床所見から理解する必要がありました。その上で薬を問われるので、外科、薬理など総合的に知識を動員しなければ解答できない問題でした。過去問ベースの問題とは明らかに難易度がちがいます。
1-3D37
一見ただの糖尿病の症状を答える問題ですが、落とし穴があります。これは糖尿病の病態が何かまで理解していれば正攻法でもいけます。内科疾患の有名所は必ずどのような病態か、それによりどのような問題が出るかを理解する必要があります。
1-3D65
感染性心内膜炎の予防についてですが、これは実際の投薬量を問われました。ガイドラインを見て学習する必要があります。ただこの問題は選択肢からズルイ解き方も出来ますが、それは省略します。
1-3D72
急性膿瘍への対応ですが、小児患者で治療に非協力的なので、大人への対応と変わってきます。絶対的な正解は無いと言うことを知っておいてください。
1-3はやはり難易度が急に上がります。ただ、1-1、1-2をきちんと復習すれば対応可能です。
では学士2はどうでしょうか?
学士2は学士1の応用プラス捻りが入ります。どのように応用し捻られるのか対応番号を記載しておきますので、なんとなくわかってください。
1-1A72と2B68
1-1B37、1-2A30と2B25
1-1B50、1-2A74と2A75
1-1C59と2B60
1-1C89と2A71、2B73(疾患自体は違うかもしれませんが本質的な所は同じです。)
1-1D22と2D39
1-1D43と2B57
1-2A53と2C21
1-2B12と2A45
1-2B60と2C82