part26 第114回歯科医師国家試験 114A41 正答率31.5%

114A41

ワンステップ接着システムで溶媒として用いられるのはどれか全て選べ。
a 水
b アセトン
c TEGDMA
d エタノール
e フェノール

(正解a.b.d)

全て選べだから正答率が低くなってしまったのでしょうが、一般的な化学の知識で、溶媒といえばこのなかでは水、アセトン、エタノールと即答できそうです。
ワンステップ接着システムの成分は主に以下のとおりですが、これは高校化学の内容で解けそうな問題です。

ワンステップ接着システム
接着性モノマー
HEMA(水溶性モノマー)

多官能性モノマー(UDMAやTEGDMAなどのジメタクリレート)
重合開始剤、重合促進剤、重合禁止剤
溶媒(アルコール、アセトン)
(フィラー)←ない物もある

part25 第114回歯科医師国家試験 114A47 正答率70.4%、

114A47

抗腫瘍薬ニボルマブの標的分子はどれか
a CCR4
b CD20
c EGFR
d PD-1
e VEGF

正答率70.4%、正解d PD-1

ニボルマブはノーベル賞を受賞した大変有名な薬でこの正答率は以外です。(選択肢にPDL-1が入ってたら別ですが)ニボルマブは頭頸部癌に適応があります。時事ネタは必ず注目しましょう。
他にきになるのはcのEGFRですが、これが標的になる抗腫瘍薬は何でしょうか?

【オリジナル問題】
EGFRを標的とする抗腫瘍薬は何か
a リツキシマブ
b デノスマブ
c ベバシズマブ
d セツキシマブ
e モガムリズマブ

答え:d セツキシマブ
他の選択肢は元の問題の外れ選択肢のターゲットです。併せて復習してください。

セツキシマブについてですが問われそうなポイントを問題にしておきます。

【オリジナル問題】
セツキシマブ使用において聴取すべき事柄は何か2つ選べ。
a マダニの咬傷歴
b 牛肉アレルギーの有無
c 顎骨壊死
d 歯髄炎
e 歯周炎

正解はa、bです。
セツキシマブのアレルギー反応とこれらが関係するためです。

part24 第114回歯科医師国家試験 必修 D-18 正答率94.3%

114B-18(必修) 正答率94.3%
冷刺激で痛みが緩和するのはどれか。1つ選べ。

a 歯髄充血
b 急性単純性歯髄炎
c 急性化膿性歯髄炎
d 慢性潰瘍性歯髄炎
e 慢性増殖性歯髄炎

【歯髄炎の臨床症状による鑑別】

皆さんが将来歯科医師になる上で、必ず必要になるのが歯髄炎の鑑別です。
歯髄炎は激しい自発痛を伴うものもあり、その際、適切な診断・治療を行うことが重要となってきます。

114B-18(必修) 正答率94.3%
冷刺激で痛みが緩和するのはどれか。1つ選べ。

a 歯髄充血 (疼痛:冷刺激↑)
b 急性単純性歯髄炎 (疼痛:冷刺激↑)
c 急性化膿性歯髄炎 (疼痛:冷刺激↓、温熱刺激↑)
d 慢性潰瘍性歯髄炎 (自発痛なし)
e 慢性増殖性歯髄炎 (自発痛なし)

解答 c

【オリジナル問題】
主な治療法として抜髄が選択されるものはどれか。すべて選べ。

a 歯髄充血
b 急性単純性(一部性)歯髄炎
c 急性化膿性歯髄炎
d 慢性潰瘍性歯髄炎
e 慢性増殖性歯髄炎


【オリジナル問題】
主な治療法として抜髄が選択されるものはどれか。すべて選べ。

a 歯髄充血 (可逆性)
b 急性単純性(一部性)歯髄炎 (可逆性)
c 急性化膿性歯髄炎 (不可逆性)
d 慢性潰瘍性歯髄炎 (不可逆性)
e 慢性増殖性歯髄炎 (不可逆性)

解答 c,d,e

診断と治療法をセットで覚えることが重要です。

part23 第114回歯科医師国家試験 必修 B-11 正答率が低かった問題 正答率57.6%

114B-11(必修) 正答率57.6%
急性化膿性歯髄炎と急性化膿性根尖性歯周炎に共通して認められるのはどれか。
1つ選べ。

a 口腔の瘻孔
b 歯肉の腫脹
c 全身の発熱
d 歯の挺出感
e リンパ節の腫脹

【歯髄炎と根尖性歯周炎の鑑別】

毎年、歯内領域において歯髄炎と根尖性歯周炎の鑑別に関する問題はほぼ出題されると言っても過言ではないと思います。

皆さんは歯髄炎と根尖性歯周炎を学ぶ際にそれぞれを対比して覚える必要があります。
なぜそれが重要かと言いますと、当然ながら診断によって治療法が変わってくるからです。

今回は共通する部分の問題ですが、基本
歯髄炎は感染が歯内に限局している(A)、根尖性歯周炎は炎症が根尖周囲組織にまで波及している(B)
ことを考えれば解きやすいはずです。

a 口腔の瘻孔(B)、b 歯肉の腫脹(B)、
c 全身の発熱 e リンパ節の腫脹 
発熱やリンパ節の腫脹は炎症が周囲組織に波及することによって初めて全身症状として出現するので、基本、炎症が歯髄に限局していた場合は起こりません。

d 歯の廷出感は歯根膜に炎症が波及した場合に起こるので、(B)の時はもちろん、歯髄炎が根尖部付近にまで炎症が進んでいくと起こる可能性があります。

114B-11(必修) 正答率57.6%
急性化膿性歯髄炎と急性化膿性根尖性歯周炎共通して認められるのはどれか。
1つ選べ。

a 口腔の瘻孔
b 歯肉の腫脹
c 全身の発熱
d 歯の挺出感
e リンパ節の腫脹

解答 d

part22 第114回歯科医師国家試験 必修 B-9 正答率が低めだった問題 正答率75.3%

114B-9(必修) 正答率(75.3%)
DICOMファイルの情報に含まれるのはどれか。1つ選べ。

a 主 訴
b 性 別
c 家族歴
d 既往歴
e 現病歴

解答 b

【DICOM等診療情報の管理と記録に関する問題】

DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)(医学におけるデジタルイメージングと通信)の問題は今まで国試に出題されており、皆さんも慣れてきたのでは、ないでしょうか。

DICOMは画像の保存、検索、転送、印刷機能などを規格化することで、異なる機器でもネットワーク上で医療用画像情報をやりとりできます。

「紹介元の診療所での画像データを患者様が持参されたけど見られない…。」ということがなくなっていくと思われます。

DICOMで記録されるのは、患者氏名、性別(b)、ID、生年月日、などの患者情報で、

主訴、家族歴、既往歴、現病歴など実際の問診等で収集する情報は診療録に記載されます。

114B-9(必修) 正答率(75.3%)
DICOMファイルの情報に含まれるのはどれか。1つ選べ。

a 主 訴
b 性 別
c 家族歴
d 既往歴
e 現病歴

解答 b

part21 第114回歯科医師国家試験 114A37 

114A37
感染根管治療を行う際に、予防的抗菌薬投与が推奨される感染性心内膜炎(IE)の高度リスク群はどれか2つ選べ。正答率67.7%
a 人工弁を装着した患者
b IEの既往を有する患者
c 先天性心房中隔欠損症の患者
d 冠動脈バイパス術を受けた患者
e 植え込み型除細動器を装着した患者

ぱっとみると、どれもリスクになりそうな患者ばかりが並んでいます。感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン (2017 年改訂版)をきちんと目を通して置いてください。
このなかでは1.人工弁置換患者、2.IEの既往を有する患者、3.複雑性チアノーゼ性心疾患(単心室、完全大動脈転位、ファロー四徴症、4.体循環と肺循環の短絡経路造設術を実施した患者
が予防的抗菌薬投与が推奨される郡とされています。

最近の国家試験はガイドラインから出題される事が多くなってきていますので、有名どころはやはり抑えておく必要がありそうです。
ただしあまり推奨はできませんが、ガイドライン今回も詳しく知らなくても解答自体は出来ます。
過去問を解いていればaは選べるはずです。そうなればあと1つとなりますが、よくわからないほかの選択肢よりは既に既往のある患者が一番リスクが高そうと読めるかどうかかで答えは出ます。やはり問題文をしっかり読むことが大切です。1問を大切に解くのが重要です。

part20 第114回歯科医師国家試験 114A41

114A41

ワンステップ接着システムで溶媒として用いられるのはどれか全て選べ。正答率31.5%
a 水
b アセトン
c TEGDMA
d エタノール
e フェノール
(正解a.b.d)
全て選べだから正答率が低くなってしまったのでしょうが、一般的な化学の知識で、溶媒といえばこのなかでは水、アセトン、エタノールと即答できそうです。
ワンステップ接着システムの成分は主に以下のとおりですが、これは高校化学の内容で解けそうな問題です。

ワンステップ接着システム
接着性モノマー
HEMA(水溶性モノマー)

多官能性モノマー(UDMAやTEGDMAなどのジメタクリレート)
重合開始剤、重合促進剤、重合禁止剤
溶媒(アルコール、アセトン)
(フィラー)←ない物もある

part19 第114回歯科医師国家試験 必修 B-8 類似問題(A-3)があった問題

114B-8(必修) 正答率96.1%
医療専門職として患者の健康を第一に考え、人類への奉仕を宣言するのはどれか。
1つ選べ。

aシドニー宣言
bリスボン宣言
cジュネーブ宣言
dヘルシンキ宣言
eアルマ・アタ宣言

解答c

【医療に関する宣言関連】

114A-3に続いて再び宣言関連の問題です。114回だけでも2問出ていることになります!

「覚えるのが大変だなー」と、思われるかもしれませんが、覚えてしまえば必ず解けるので頑張りましょう。
ポイントとしては、似た宣言をセットで覚え、宣言名⇔簡単な内容をどちらからも
聞かれても答えることができるようにすることが重要です。

☆医師による義務系
 ・ヒポクラテスの誓い…、医師の倫理・任務などについての宣誓文
 ・ジュネーブ宣言…医師の守秘義務、医療専門職の職業倫理に関する宣言 (c)
☆研究系
 ・ニュルンベルグ綱領…人体実験における被験者の自発的同意
 ・ヘルシンキ宣言…臨床研究における倫理審査委員会の設置 (d)
☆患者権利系
 ・リスボン宣言…セカンドオピニオン (b)
☆脳死の判定
 ・シドニー宣言…臓器移植に伴う脳死の判定 (a)
  (※脳死(のうし)だからシドニー宣言。ダジャレですが時にはこういった方法が救ってくれることもあるのでオリジナル暗記法を作ってみてください。)
☆健康関連
 ・アルマ・アタ宣言…プライマリーヘルスケアの基本理念について(e)

114B-8(必修) 正答率96.1%
医療専門職として患者の健康を第一に考え、人類への奉仕を宣言するのはどれか。
1つ選べ。

aシドニー宣言 臓器移植に伴う脳死の判定
bリスボン宣言 セカンドオピニオン
cジュネーブ宣言 医療専門職の職業倫理に関する宣言
dヘルシンキ宣言 臨床研究における倫理審査委員会の設置
eアルマ・アタ宣言 プライマリーヘルスケア

解答 c

第114回 歯科医師国家試験(必修) 正答表(一部改変)

第114回の歯科医師国家試験(必修)の正答表(一部改変)です。

全てではありませんが、正答・正答率・その領域と考えられる科目を記載しています。(順次、追記していく予定です。)

97.2%…正答率が80~100%の問題です、濃い黒塗りになっています。必ず取っておきたい問題です。  49/78問 62.8%
76.0%…正答率が60~ 79%の問題です、 淡い黒塗りになっています。 こちらもまず取っておきたい問題です。  14/78問  17.9%
56.7%…正答率が 59%以下の問題です、こちらは正答率は低いものの翌年にリベンジ問題として出題される可能性が高いので
   深掘りの必要がある問題です。(初見で解けなくても気にせず、解けるようにしましょう。) 15/78 19.2%

114回歯科国師必修正答表-5

part18 第114回歯科医師国家試験 必修 A-14 正答率が低めだった問題 正答率76.0%

114A-14 (必修) 正答率76.0%
フォーハンドテクニックで行う一般的な歯科診療の術者の位置で正しいのはどれか。
1つ選べ。

a 6:00 – 9:00
b 7:00 – 11:00
c 8:30 – 3:00
d 9:30 -12:30
e 12:00 – 4:30

解答d

【歯科治療時における術者の適切なポジショニングについて】

この問題でこの正答率76.0%は正直意外でした。
学生時代、よく指導医に「9時から12時の位置に座りなさい」と指導を受けたものです。

実際の診療において、バキューム等以外の機材は基本患者の右側に置かれています。
皆さん基本、右利きだと思いますので、右側に機材があった方が治療を行いやすいことは想像しやすいと思います。

なので、患者さんの頭の位置を12時と考えた時、術者が座るのは9時の方向になります。
普段実習等でマネキンに対して座る位置を考えてみてください。

基本、右真横(9時)から頭(12時)の範囲だと思います。
(処置によっては若干左側(1時)まで行くこともあるかもしれませんが。)

フォーハンドテクニック(術者と介助者の4つの手)という言葉に戸惑ったかもしれませんが、
一般的な歯科診療の術者の位置ということを考えれば難しい問題ではないはずです。

114A-14 (必修) 正答率76.0%
フォーハンドテクニックで行う一般的な歯科診療の術者の位置で正しいのはどれか。
1つ選べ。

a 6:00 – 9:00
b 7:00 – 11:00
c 8:30 – 3:00
d 9:30 -12:30
e 12:00 – 4:30

解答d