(part.7) 第114回歯科医師国家試験 正答率が低かった問題 解説(必修 A-19)

第114回歯科医師国家試験の個人的にピックアップしておきたい問題をシリーズもので定期的に解説しています。

本日紹介する問題は114A-19です。

こちらは、正答率が50%付近であった問題で、

実質合否を分けるボーダーの問題でしょう。

骨格性下顎前突にみられる特徴はどれか。

1つ選べ。

a.下顎臼歯の舌側傾斜

b.下顎切歯の唇側傾斜

c.上顎臼歯の舌側傾斜

d.上顎切歯の舌側傾斜

e.下顎歯槽基底弓幅径の狭小

必修の問題の解き方としては、

あからさまに浮いた選択肢に飛びつかない力も大事です。

ここではeが浮いているように見えるので、避けて問題を解いてみることです。

また、残りの選択肢についてですが、

過去の問題からデンタルコンペンセーションというワードを皆さんも聞いたことはないでしょうか。

下顎が前に出ているので、むりやり下唇で閉じようとするあまり、下顎切歯が舌側傾斜、

ベロにおされて上顎前歯が唇側傾斜するアレです。

これを知っていると、bとd?かな?と飛びついてしまいそうですが、書いてるものが真反対と困りました。どうしましょう。

残るはaとcですが、

もしカンで答えるのであれば、

下顎前歯だけでなく、下顎歯列全体として舌側傾斜となっているのではないか?

上顎前歯だけでなく、上顎歯列全体として頬側傾斜となっているのではないか?

と現場思考できるとしめたものです。

自然と答えのaが本番で選べるわけです。

このように、見たことがある問題、既存の知識から類推していく力を養っていくことも国試に受かるには必要な考え方といえるでしょう。

また、似た問題として、

112B-82が正面頭部X線規格写真として登場していますので、確認として解いてみてくださいね。

あとは、他の分野とまたがる知識と横断してみましょう。

みなさん、部分床の模型実習をした経験はありませんか。

その際、エーカースクラスプを下顎臼歯にかける際、クラスプ鉤尖を舌側に入れませんか?

その経験を現場で思い出すだけでもかなり選択肢を絞り切ることができると思います。

また、歯の萌出経路をイメージしてみても解ききれます。

上顎は遠心にむかってから近心に萌出する傾向であり、頬側に向かって生えます。

下顎は近心にむかって萌出し、舌側に向かって生えます。

これをイメージしてみてもアプローチとしては正解でしょう。

☆☆☆まとめ☆☆☆

1. みたことある問題、既存の知識から類推していく力を養っていくこと。

2.他の分野とまたがる知識や、臨床実習や模型実習をイメージして問題を解いてみるコト!

以上のポイントを参考に有意義な受験生活をお過ごしくださいね。

また、実際に問題を解きながら他にはどんな疾患が考えられるのか生徒と先生が話し合いながら一つの問題からたくさんのパフォーマンスを引き出し、歯科医師国家試験という連想ゲームを楽しみながら受験生活を送ることが出来るかと思います。

(part.6) 第114回歯科医師国家試験 削除問題 解説(A-5)

第114回歯科医師国家試験の個人的にピックアップしておきたい問題をシリーズもので定期的に掲載しています。

必修問題として、妥当ではなく、設問が不明瞭で、正解が得られないために削除となった問題です。

本日紹介する問題はA-5です。

こちらは、必修問題として妥当ではなく、正解者には加点、不正解者は削除となった問題の1つです。

コラーゲンの3本鎖らせん構造を安定させるのはどれか。1つ選べ。

a.リシン

b.アラニン

c.グリシン

d.プロリン

e.グルタミン

まず、コラーゲンとはなんぞや?

Gly-○-□の繰り返しのもので、

コラーゲンやエラスチン、プロテオグリカン、ラミニン、フィブロネクチンといった細胞外マトリックス(ECM)の1つのことです。

一般的に、コラーゲンは3本がらせんことように集まってできた

コラーゲン領域と、非コラーゲン領域の2つがあり、コラーゲン領域では、繰り返し部分のGly-があって3本がらせんのように集まって安定化すふのに重要です。

このらせんのことを英語で螺旋といい、このことから螺旋状であることがわかります。

おもえば、矯正のクアドヘリックスとかも、

クアド(4つ)、ヘリックス(螺旋)という点からもどんな装置か類推できますね。

歯科の単語はひたすら英語をそのままカタカナ表記したものが多いです。チェックバイトといい、、

困った知らないカタカナ単語をみたら分けて区切って日本語に直してみると類推できることがあるので一言アドバイスとしてここに書いておきます。

脱線してしまいましたが、

コラーゲンの合成の仕方について確認していきましょう。

①ポリソーム(=粗面小胞体、リボソーム)で

さきほどのGly-○-□という

プレプロα鎖というものができます。

②小胞体の中でN末端側で切られたのち、

コラーゲンの分子の中のプロリンとリシンが

水酸化をうけます。

水酸化(-OH)がついた状態をヒドロキシ〜と呼びます。

この時、水酸化反応には補因子(コファクター)としてビタミンC(アスコルビン酸)とFe^2+が必要になります。

③ガラクトシルトランスフェラーゼ、

グルコシルトランスフェラーゼを受けて糖がつきます。

④ここまでうけた1本のコラーゲンが3つ合わさって3本鎖ヘリックス構造をつくります。

⑤3本鎖の末端に余計なもの(プロペプチド)がついてるので、プロテアーゼで切ってやります。

(protein ase→タンパク 分解するものと類推できるのは何個か前の英語の類推記事を見てみてくださいね。)

⑥コラーゲンの中のリシンが

リシルオキシダーゼ(リシン、酸化の反応?)を

うけてアリシンとなり、

アリシンが架橋構造の足場となっていく。

ここまで踏まえた上で、もう一度選択肢を見てみましょう。

a.リシン

→途中で反応をうけるものだったな、、

b.アラニン

→今までの話に出てなかったな。

c.グリシン

→Gly-○-□-の構造を作る上で1番大事そうだ。。

d.プロリン

→リシンと同じく途中で反応をうけるものだったな、、

e.グルタミン

→今までの話に出てなかったな。

☆☆選択肢のなかの優先順位をつけてやる☆☆と、

グリシン>>リシン、プロリンだとわかります。

確かにリシンとプロリンも考えられますが、

☆☆この出題者が解答にしたいものを

選ぶ力が大事☆☆ですので、

グリシンが正解になるわけです。 

また、最後に余談ですが、もう一つ皆さんにお伝えしたい事として

基礎分野と臨床分野の知識の横断です。

コラーゲンといえば、心臓や骨、角膜、、いろんなところに使われている建物の柱みたいなものです。

その柱がダメになってしまえば、当然建物自体ダメになってしまいます。

個人的に、歯科国試でみかける疾患はコラーゲンがダメになって発症する病気が多いように思えます。

最後にそこを確認してこのpart.6を終えたいと思います。

例として、骨をあげましょう。

骨とか象牙質とかセメント質って硬いけど意外にも1型コラーゲンが多いんですよね。

コラーゲンで足場を作ってから石灰化してできる感じです。ざっくりいいますと。

その足場となるコラーゲンが例えばもし、Gly-○-□のGly同士が近づいて安定すればいいのにGlyの代わりに変なArgとか Gluとか変なのが入ってしまったりしたら安定しないし、分解を受けて壊れてしまいます。当然そうなると、できるはずの骨もぼろぼろなのであんまりよくないわけです。

このコラーゲンが1型だったら骨形成不全症。。となるわけです。

コラーゲンがだめなひとだったら「他にもコラーゲンでできてそうなとこだめだよな。。。」と気づけた人はいいカンをしています。

目であれば屈折率が変わってしまい、青くみえる。

ですから、青色に目が見えてしまう。

心臓などもだめそうなので選択肢に例えばもし、

大動脈弁や僧帽弁の異常などがあったら正解になり得そうだな、と考えられるわけです。

余談ですが、骨折しやすそうなこの病気であればビスフォスフォネート製剤を使っていないか?

とか、

歯科治療する上では、骨折しやすいから抑制具とかは避けたほうがいいな、、、とか、

象牙質とかも脆いし、歯もチッピングしやすそうだったら破折や咬耗を守る意味で即重でレジンのスプリントを作って咬合管理をするのも患者さんにとっては幸せなのかな……といったように考えられるといいですね。

☆☆☆基礎分野と臨床分野の知識の横断☆☆☆をしてみるのもかなり勉強になると思います。

生化学単発でおわる知識で暗記するのはものすごくつまらないですし、役に立たないかもしれません。

せっかくですので臨床と関連して基礎分野をもう一度復習してみてはどうでしょうか。

☆☆☆本日のまとめ☆☆☆

1.ただしそうな選択肢の中で最も出題者が大事だと考えているものはどれか?

それを選ぶこと。

2.カタカナや英語から類推すること。

3.基礎分野と臨床分野の知識の横断!!!

以上のポイントを参考に有意義な受験生活をお過ごしくださいね。

実際に問題を解きながら他にはどんな疾患が考えられるのか生徒と先生が話し合いながら一つの問題からたくさんのパフォーマンスを引き出し、歯科医師国家試験という連想ゲームを楽しみながら受験生活を送ることが出来るかと思います。

(part5) 第114回歯科医師国家試験 削除問題 解説 (必修C-9)

第114回歯科医師国家試験の個人的にピックアップしておきたい問題を、シリーズもので定期的に掲載しています。

本日紹介する問題はC-9です。

必修問題として、妥当ではなく、設問が不明瞭で、正解が得られないために削除となった問題です。

C9
耐火模型上で製作するのはどれか一つ選べ
a 陶材焼付冠
b レジン前装冠
c ジルコニアクラウン
d レジンジャケットクラウン
e ポーセレンラミネートベニア
(正解e ポーセレンラミネートベニア)

補綴物の構造、製作過程を知っておくのは大切ですが、忘れてしまった場合や焦って出てこなくなった場合などでも対応できるようにしておくと良いとおもいます。
今回の問題は不正解者のみ削除となりましたが、落ち着いて考えればすぐに答えは予想できます。
実際にやってみましょう。

耐火模型→パーシャルの実習で出てきたが今回の選択肢にパーシャルデンチャーは無い。フレームの製作でワックスアップした記憶あり。
→高温に耐える必要があるから作製する模型のはず。

b、dのレジン系のものはそれほど製作過程で高温にならないから耐火模型はひつようなさそうか?とりあえずbdは除外。(前装冠の実習でもそもそも出てこなかったはずです。)

ジルコニアはCAD/CAMで作るから模型は要らなさそう?→cも今回は違うか?

陶材焼付冠かポーセレンラミネートベニアか
→陶材焼付冠だから、レジン前装冠と似ているなら、耐火模型は要らないかな?ならeかも。。。

という形でほとんど勘と経験で解答可能です。。

グループ分類すれば、もっと早く解答にたどり着きます。フレームの有無で考えればないのがレジンジャケット冠とポーセレンラミネートベニアになります。レジンはそもそも高温に耐えられないので、耐火模型は必要ないため、eにたどり着きます。これには正しく構造を知っておく必要があります。教科書や専門書の写真をしっかりみておく事が重要です。

~まとめ~
やはり教科書ベースの知識は必ず必要になりますので、教科書の通読は必須です。

(part.4) 第114回歯科医師国家試験 削除問題 解説 (必修A-10)

第114回歯科医師国家試験の個人的にピックアップしておきたい問題を、シリーズもので定期的に掲載しています。

本日紹介する問題はA-10です。

必修問題として妥当ではなく、設問が不明瞭で、正解が得られないために削除となった問題です。

舌の分界溝に開口するのはどれか。

1つ選べ。

a.脂腺

b.後舌腺

c.Ebner腺

d.アポクリン腺

e.Blandin-Nuhn腺

解剖は正しい場所を押さえることが肝です。

舌は、前3分の2と3分の1とでわけられています。

そこで神経の支配も味覚、体性感覚ともに違うこともみなさん受験のうえで復習しているのではないかと思われます。

このわける場所のことを分界溝といい、

そのまえを舌体。その後ろを舌根というわけです。

そして、この分界溝の前にあるものが有郭乳頭であり、その粘膜にあるのが、エブネル腺です。 いやらしいことに英語で表記されています。(日頃から教科書で英語を読むことが大事ではありますが、、)

ささいな日本語の言葉のニュアンスで削除となってしまいましたが、おそらく作成者が正解にしたかった問題なのでしょう。

さてさて、確認はこの程度にしまして、

ほかの枝をグループに分けたり、確認していきましょう。

b.後舌腺

c.Ebner腺

d.アポクリン腺

e.Blandin-Nuhn腺

アポクリン腺と脂腺は開口形式からもってきた枝、

後舌腺、エブネル腺、Blandin-Nuhn腺は唾液腺の名前からもってきた枝だとわかります。

少し教科書を読んだり、知識の確認をすることでグループわけしやすくなるので参考にしてみてくださいね。

ここまで分けたのでとりあえず、開口形式について確認していきましょうか。

開口形式:

細胞の分泌の仕方をそうよびます。

一つ目は、細胞が開いて、分泌物だけ出るので開口分泌といいます。エクリン汗腺がそうです。

二つ目は、分泌物をだす細胞自体がちぎれて、細胞自体も分泌されます。これをアポクリン腺といいます。

(余談ですが、あの子、なんだかいい匂いする。これってフェロモン?!ってものがこれです。)

わきの下や外耳道、乳腺とかが当たります。

三つ目は、ホロクリン分泌といって、細胞全部がちぎれて分泌されるものです。

(今となってはみかけませんが、ファミレスでリーマンがよく顔をふいて取っている、アレです。)

以上のように””身近なものを例えに暗記していくのはわかりやすいですね。

参考にしてみてください。

ちなみに口腔外科でよくBlandin-Nuhn嚢胞という言葉よく聞きますよね。だいたいベロの前にできますね。

実は前舌腺の別名がBlandin-Nuhn腺と言ったりするんです。

一つの言葉でも言い回しが複数、存在する。

これに気をつけながら暗記してみてください。

そして、問題が「どのグループと、どのグループで作られた問題であるか」と枝を意識しながら解いてみてくださいね。

☆☆☆まとめ☆☆☆

①解剖は場所で覚えよう!

②グループ分けするのには、多少知識が必要!

つまり、教科書は読み込もう。

③身近なもので例えると解きやすい。そして、いろんな言い回しをする用語はしっかり整理しよう!

以上のポイントを参考に有意義な受験生活をお過ごしくださいね。

また、実際に問題を解きながら他にはどんな疾患が考えられるのか生徒と先生が話し合いながら一つの問題からたくさんのパフォーマンスを引き出し、歯科医師国家試験という連想ゲームを楽しみながら受験生活を送ることが出来るかと思います。

(part.3) 第114回歯科医師国家試験 削除問題 解説 (必修 D-7)

第114回歯科医師国家試験の個人的にピックアップしておきたい問題を、シリーズもので定期的に掲載しています。

取り上げる問題は、必修問題として妥当ではなく、正解者には加点、不正解者は削除となった問題の1つです。

本日紹介する問題はD-7です。

( )に入るのはどれか。1つ選べ。

( ) , the study of distribution and determinants of health-rated states and events in specified populations , is a potent scientific tool to confront a new infectious disease.

a.Anatomy

b.Biochemistry

c.Epidemiology

d.Pharmacology

e.Physiology

今回取り上げたのは英語の問題です。

( ) is 〜.がSVCとなっているので( )と〜が

同じ意味だから

a potent scientific tool to confront a new infectious disease

がわかれば解けるのに、、potentはわかんないけど未知の感染症に立ち向かう科学的な道具…を選べばいいんだな。

でも選択肢がさっぱりわかんないどうしよう、、

と考える方も多いと思います。

接頭字で分解してみると英単語を攻略しやすいかもしれませんよ。

そして、類推してみるのです。

a.Anatomy

→ana+tomy

アナはわかんないけど、tomyって単語は

口腔外科とかで聞いたことあるな、、、

→解剖関係か外科関係??

b.Biochemistry

→bio+chemistry

バイオって生き物??ケミストリーって歌手のほうもいるけど、化学、、だったかな。

c.Epidemiology

→epi+demiology

epiって組織学で上皮細胞のこと、epithelialって

いってたな。demiってひょっとして大正デモクラシー??のデモ?よくあるデモって聞くと、

“”人””関係なのかな?

d.Pharmacology

→””カタカナに書き起こしてみると””ファーマシーって近所にあったな、、確か薬局だったっけ??

e.Physiology

→””カタカナに書き起こしてみると””フィジオロジー?フィジってフィジカルのフィジだよね。

流行りの呪術廻戦とかの主人公、フィジカルに戦ってたよな。肉体的な感じか生物、生理的な感じするな、、、

英文中にhealthとかあるし、ヘルス=健康って意味だし、人が健康ってことだよね。

と考えると答えは、、、

C!

といった風にですね。英語はわかる英文の中の単語を探してみたり、具体的に他の似ている単語(ゲームや漫画の中で聞いた時でも全然大丈夫です。)を連想ゲームしてみたり、カタカナに書き起こしてみたりすると攻略しやすいかもしれません。

また、普段からこの受験生は教科書で英語の単語をなんとなくでもいいので確認していたみたいです。だから、epithelialのepiが表面上のって意味かなと捉えて類推できたかもしれません。エピテリアル自体は上皮という意味です。

☆☆☆まとめ☆☆☆

英文がわからなくても、英文の中のわかる単語をひろうこと!

選択肢の英語を接頭字と分解してみたり、わかる単語を連想してみること!

以上のポイントを参考に有意義な受験生活をお過ごしくださいね。

また、実際に問題を解きながら他にはどんな疾患が考えられるのか生徒と先生が話し合いながら一つの問題からたくさんのパフォーマンスを引き出し、歯科医師国家試験という連想ゲームを楽しみながら受験生活を送ることが出来るかと思います。

(part.2) 第114回歯科医師国家試験 削除問題 解説 (必修 D-19)

第114回歯科医師国家試験の個人的にピックアップしておきたい問題を、シリーズもので定期的に解説しています。

本日紹介する問題は D-19です。

取り上げる問題は、必修問題として妥当ではなく、正解者には加点、不正解者は削除となった問題の1つを、毎回ピックアップしていこうと思います。

放射線治療における晩期反応組織はどれか。1つ選べ。

a.骨髄

b.脊髄

c.粘膜

d.皮膚

e.生殖腺

まずはいつも通り、知識の確認から行きましょう。

細胞は増殖、分化、成熟、そして死へと向かっていきます。

細胞動態でいいますと、細胞再生系と条件付き細胞再生系にわけることができます。

①細胞再生系。

幹細胞が1個、2個と分かれていくと、増えた分の1個、2個の細胞が増えて、わかれて、熟して死んでいきます。

数としては変わらないのでこの状態を平衡といいます。

細胞の再生が早いので放射線の影響をうけやすく、俗にいう早期組織反応として影響を受けやすいです。

骨髄や皮膚、粘膜上皮、水晶、生殖腺などといった放射線照射後、数週間以内に組織が減ってしまうものです。

②条件付き細胞系。

分化して機能をもった細胞たちが多く、一部だけ幹細胞がある状態。

増殖能力があるものの、ふだんは増えず、組織がなくなってから再生をはじめるタイプです。

このようなタイプに放射線を浴びせると、

増殖しにくい上に支持組織である血管系もダメージをうけ、なかなか回復しないものです。

これらの代表例として、脊髄、肺、腎臓、唾液腺、下顎骨が上げられ、晩期組織反応として良く名前があがるものです。

以上の知識を確認したうえで選択肢の枝をみてみると、

早期組織反応

→骨髄、粘膜、皮膚、生殖腺。

晩期組織反応

→脊髄。

と分けることができ、正解に辿り着くことができます。

この知識がもし欠けていた場合、筆者ならどうするか。今回は他分野をまたがる横断、そしてグルーピングをお伝えしようと思います。

たとえば、この選択肢。

細胞の放射線の影響ですが、放射線をあびてダメになったら、新しいものに変えればいいのではと思うのが普通ですよね。古くなった靴を買い替えるみたいなものです。

つまり、ターンオーバーや永久細胞、安定細胞、不安定細胞といった観点に着目しましょう。

選択肢は、

骨髄、脊髄、粘膜、皮膚、生殖腺。

この中でどうですか?

粘膜や皮膚、生殖腺は細胞のターンオーバー、

くるくる回転するイメージがありますよね?

また、硬いものと柔らかいものとでグループにわけると自然と切れますよね。

となると残りは骨髄と脊髄になるわけですが、

試験会場で迷った際、どうでしょう?

単純に考えると、

血がいっぱい詰まったフレッシュな骨髄と、

血はあるにはあるけれども、なんだかよくわかんない液体にひたされてそうな脊髄と考えればこっちのもんです。

脊髄って答えが一つに決まります。

5択ゆえに簡単にもう少し捉えて解くのも一つの手です。

また、病理の知識を導入して、

永久細胞(再生しない細胞)

→心筋細胞、中枢神経細胞(大脳、小脳、脊髄)

安定細胞(再生能力が低い細胞)

→肝細胞、腎上皮細胞、内分泌細胞、筋肉

不安定細胞(再生能力が高い細胞)

→皮膚上皮、粘膜上皮、血液細胞、骨細胞、

繊維芽細胞

を連想ゲームみたいに発想しても答えに辿り着くことができそうですよね。

この問題からこのように病理の知識の復習。

癌細胞だったら抗がん剤などの整理。(112回c-39にもありましたよね?解きっぱなしなんてまさかもったいないことしてませんよね?)

そして、自分で類題を作ってみること。

この問題の主題を条件付き細胞系と変えても

答えは同じで類題を作ることはできます。

一つの問題から最大限のコストパフォーマンスを得ること。これが大事です。

間違ってもこの答えはBDEだわ!といった風に覚えきってはいけません。いいですね?

☆☆☆まとめ☆☆☆

①毎年トレンドの放射線の影響の再確認!

(113D-1も参考にしてみてくださいね。)

②他分野にまたがった知識を一つの問題から連想ゲームをしていくこと!

③単純に考えてグループ化していくのはとても有効ですよ!

以上の3つのポイントを参考に有意義な受験生活をお過ごしくださいね。

当塾では他にも受験テクニック、臨床の流れを踏まえた上での解くことに特化した解き方も伝授します。

また、実際に問題を解きながら他にはどんな疾患が考えられるのか生徒と先生が話し合いながら一つの問題からたくさんのパフォーマンスを引き出し、歯科医師国家試験という連想ゲームを楽しみながら受験生活を送ることが出来るかと思います。

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(part1) 第114回歯科医師国家試験 削除問題 解説 (必修A-4)

本日から第114回歯科医師国家試験において、個人的にピックアップしておきたい問題を、シリーズもので定期的に解説していこうと思います。

今回取り上げる問題は、必修問題として妥当ではなく、正解者には加点、不正解者は削除となった問題の1つを、ピックアップしていこうと思います。

本日紹介する問題は必修問題A-4です。

一次性咬合性外傷にみられるのはどれか。1つ選べ。

a 歯肉退縮

b 歯槽骨吸収

c 歯周ポケット

d アブフラクション

e アタッチメントロス

以前から過去に必修、一般問わず問われることが多いベタな問題ですが、定義から復習してみましょう。

〇咬合性外傷≡許容量を超える咬合力が加わった際に生じる歯周組織の破壊のこと。

その中でも、

一次性咬合性外傷

≡歯周組織が十分に残存し、

☆正常な骨レベルとアタッチメントを有した☆

状態で、きわめて強い力が加わって生じた状態。

二次性咬合性外傷

≡歯周病により歯周組織が減少し、

☆骨吸収とアタッチメントロスが生じた☆状態。

です。

そして、大事なことは外傷性咬合と咬合性外傷の違いです。前者は力が加わる原因、後者は力が加わった結果です。

そして咬合性外傷としてみられる臨床症状は、

歯の動揺度増加、歯根膜腔拡大、咬耗、歯の破折、補綴物脱離、頬の圧痕、骨隆起、アブフラクション、フェストゥーンやクレフト、歯根膜炎由来の打診痛や自発痛の出現、Hysなどが考えられます。

ここまで踏まえた上で今一度選択肢を吟味してみましょう。

ちょっと、今さっき復習してみた知識で解いてみましょう。

・歯肉退縮

→歯周組織にはいるものの、残存具合にはよりますが、どちらかというと二次性寄りです。

・アブフラクション

→クサビ状欠損のこと。

・アタッチメントロスと歯周ポケット、歯槽骨吸収→一次性咬合性外傷の定義から外れてしまうのでバツとなる。どちらかというと、二次性咬合性外傷ですね。

となるのでアブフラクションが正解、、となるわけです。

でも、楽して解きたい。そんなあなたにおすすめなのが、当塾で推しているグルーピングです。

この考え方も踏まえて解いてみると、さらに楽に解くことができます。

というのも、この咬合性外傷。定義から考えてしまえば、歯周組織がいいのか悪いのかという点だけで、解けてしまうのです。

つまり、選択肢を

☆☆歯周関係に生じる問題と歯質に生じる問題でグルーピング、ソートしてみましょう☆☆

歯質の問題

→アブフラクション

歯周組織の問題

→歯肉退縮、歯槽骨吸収、歯周ポケット、アタッチメントロス

どうみても浮き彫りになってるのはアブフラクション。これが正解です。

☆☆まとめ☆☆

①用語ごとに知識の定義を確認するコト

②受験テクニック上、選択肢をソート、並び替えをし直してグルーピングしてみるのも解く上ではいい手ですね。

当塾では他にも受験テクニック、臨床の流れを踏まえた上での解くことに特化した解き方も伝授します。

また、実際に問題を解きながら、他にはどんな疾患が考えられるのか、生徒と先生が話し合いながら一つの問題からたくさんのパフォーマンスを引き出し、歯科医師国家試験という連想ゲームを楽しみながら受験生活を送ることが出来るかと思います。

(6年、既卒)マッチングの流れ

マッチング試験は8月がピークで、9月の締め切りにかけてが一次試験が多いものです。

また、2次募集として追加で11〜12月に募集、3月に国家試験落ちた人たちの人員補充としての3次募集という形が多いです。

マッチング試験① 見学準備

みなさん。こんにちは。

マッチング試験が近づいてきましたね。

準備のほうはいかがですか?

去年の日程は、来月の6月頃には大学側からIDを頂き、参加登録をはじめる頃合いでした。

参加登録締め切りは8月上旬で、9月上旬には希望順位を書く、というものです。

マッチング試験は簡単に説明しますと、

募集施設側とこちらの希望順位が高ければ採用です。人気の病院ですと記述試験および面接があります。

中でも市民病院などの定員1名の歯科研修は人気が高く、国立大学の優秀な方々が勢揃いです。

ひとまず、今回はマッチング試験に関して、見学から説明していきましょう。

去年はコロナの影響もあり、zoomでの説明会や試験を実施する病院が多かったです。

7月中旬から試験をはじめる口腔外科の病院もあるので、いまの時期からしっかりzoom見学、実際の見学を通じて施設側にアピールして行きましょう。

マッチング試験② 見学当日

見学当日についてお話ししたいと思います。

市立病院、医学部附属病院、歯学部附属病院などにおいて、今回は見学当日に留意すべき点をご説明したいと思います。

①zoomでの急な質疑応答に注意!

・zoomで向こうの説明が終わってから、急に名指しで質問が飛んでくることがかなり多い。無難な質問は用意しておこう。

(質問の例)

・「抜歯は1日あたり何件ですか?」

・「模型を使って同期と歯科治療の練習ができますか?」などなど。

②名前では選ばないほうがよい。見学して自分が見たものが本物!

ネームバリューではなく、本当にやりたいことができる場所なのかどうかきちんと考えるべきでしょう。しっかり自分の目でいきたい病院をえらぶべし。

③外科病院の際は、水曜や木曜にロングオペがある。出席数に注意!

外科病院ならば、平日休みをとってロングオペにしっかり参加すること。

また、回診もみられたりするとよいので、

前日移動も考えて2〜3日お休みが取れるとよいでしょう。 深夜バス、お勧めです。

④しっかり違和感ない程度にアピール

6年になって見学にいくのではなく、本当にいきたいところには、5年からコツコツと見学をするつもりでアピールしていくこと!

また、施設の研修担当の先生には、行きたいことをただ漠然というのではなく、母校と何が違うのか、何がやりたいのか、どんな歯科医師を目指したいのかを明確に伝えるとさらによいでしょう。

マッチング試験③

試験について

筆記試験ならば、情報をもとに対策は立てるべきでしょう。出やすいテーマも決まってるので、国家試験に沿って合わせて勉強るとよいと思われます。

また、面接では、履歴書に書いた自分の面接の志望動機を、もう一度きちんと自分の言葉で説明できるよう確認しましょう。多少間違えても問題ありません。

履歴書と矛盾がないよう説明しましょう。

そして、施設によっては合格内定の電話や手紙を送ることもあります。

送られた際にはマッチングの順位を優先的に高く希望すると採用される可能性が高いと思われます。

※合格通知を定員人数以上に出して、確実に定員を集めようとする施設もあります。

その際は成績によって落ちる可能性があるので、

2次募集や3次募集に期待しましょう。

2次募集や3次募集でも応募しないor1年間国家試験受かったけど研修はしないで翌年から研修先探しを考えている方へ

→拾ってくださる病院がなくなるのでそれはやめましょう。

神奈川歯科大学の内情について~5期制が神奈川県では今や主流~~デンタル国進・横浜校 代表045-534-5150~

神奈川歯科大学の内情について今日はお話しさせて頂こうと思います。

1.ユニット5学期制

神奈川の歯科大学で最初に5学期制を導入したのは紛れもなく神奈川歯科大学です。

また、GP換算や択一問題によるユニット試験という名前の期末試験が特徴的です。

また、授業前にモジュール試験と評される過去の歯科医師国家試験から、先生たちのオリジナル問題まで、幅広い択一試験が行われ、それが一部、単位を認めるための素点に加点されるのも特徴的です。

つまり、ほかの大学と比べて各授業に予習を義務付けられるわけです。

他にも大学生らしく、レポートも頻繁に出され、その内容も多岐に渡ります。

2.進級や試験

進級に関しては、かなり厳しいです。

やはり、間違った勉強をしてしまうと繰り返し留年を起こしてしまうことになるでしょう。

1年以外各学年2年ずつ残留し、放校の危機というような方もいらっしゃるようです。。。

特に、口腔外科で本試験20人しか受からなかったという危険な試験から、3年の生体材料、そして、癖の強い問題で有名なあの保存修復学といったように危険なラインナップがてんこ盛りです。

卒業試験も360問あり、各問題は5択で、それぞれ正しいものを全て選べというスーパーXの形式を取っています。

かなりの学生を留年に導いている危険な卒業試験です。

また、外国の賢い留学生が国家試験合格率を上げている現状らしいです。

3.病院

横須賀にある建て替えられた病院はとても綺麗です。

また、横浜クリニックや羽田空港といったように魅力的な病院が特徴ですね。

学生の実習で使うユニットもかなり綺麗で使いやすいと思います。

神奈川で歯学部といったら神奈川歯科大学といっても過言ではないです。

進級や卒業試験が厳しいものの、しっかりついていけるよう勉強に励んでいきたいものですね。