⑧第115回国試予想的中の問題! part84より(2022/1/24投稿) 参照

60歳の女性。上顎右側臼歯部の咬合痛を主訴として来院した。自発痛はないが歯肉を押すと違和感があるという。右上56に打診痛を認める。
初診時の口腔内写真とエックス線画像を示す。歯周組織検査結果の一部を表に示す。
治療で主に用いる器具の組合せで適切なのはどれか。1つ選べ。

右上6・・・右上5
aカーボランダムポイント・・・ファイル
bファイル・・・カーボランダムポイント
c抜歯鉗子・・・ファイル
dファイル・・・抜歯鉗子
eファイル・・・ファイル

【慢性化膿性根尖性歯周炎及び歯根破折の鑑別と治療法】


右上6頬側遠心部に瘻孔が認められる。

右上6及び右上5に根尖部透過像が認められる。また、右上5には垂直性の破折線が認められる。

右上5の中央にのみ深いポケット(9mm)が認められる。

以上のことから
・右上6は慢性化膿性根尖性歯周炎→感染根管治療 (ファイル)。
・右上5は垂直性歯根破折→抜歯 (抜歯鉗子) となる。

解答
60歳の女性。上顎右側臼歯部の咬合痛を主訴として来院した。自発痛はないが歯肉を押すと違和感があるという。右上56に打診痛を認める。
初診時の口腔内写真とエックス線画像を示す。歯周組織検査結果の一部を表に示す。
治療で主に用いる器具の組合せで適切なのはどれか。1つ選べ。

右上6・・・右上5
aカーボランダムポイント・・・ファイル
bファイル・・・カーボランダムポイント
c抜歯鉗子・・・ファイル
dファイル・・・抜歯鉗子
eファイル・・・ファイル

解答:d

⑦第115回国試予想的中の問題! part83より(2022/1/22投稿) 参照

30 歳の男性。下顎の腫脹を主訴として来院した。3年前から自覚していたが無痛性のためそのままにしていたところ、徐々に増大してきたという。初診時のエックス線画像、MRI T2強調像及び生検時のH-E染色病理組織像を示す。

この疾患でみられるものはどれか。3つ選べ。
a 癌真珠
b 幻影細胞
c 羊皮紙様感
d 星状網様細胞
e ナイフカット状歯根吸収

【エナメル上皮腫】
今回の疾患は「エナメル上皮腫」である。
良性上皮性腫瘍の中で発生頻度が高く、若年者を中心に下顎大臼歯部に好発する。
特徴として、触診による羊皮紙様感、レントゲン上でのナイフカット状歯根吸収、病理組織像での星状網様細胞などがある。

解答
30 歳の男性。下顎の腫脹を主訴として来院した。3年前から自覚していたが無痛性のためそのままにしていたところ、徐々に増大してきたという。初診時のエックス線画像、MRI T2強調像及び生検時のH-E染色病理組織像を示す。

この疾患でみられるものはどれか。3つ選べ。
a 癌真珠
b 幻影細胞
c 羊皮紙様感
d 星状網様細胞
e ナイフカット状歯根吸収

解答:c,d,e

⑥第115回国試予想的中の問題! part56より(2021/10/2投稿) 参照

73歳の女性。下顎義歯の前歯部粘膜面に食物が停滞しやすいことを主訴として来院した。使用中のインプラント義歯は8年前に装着し、義歯の維持には問題がないという。初診時の口腔内写真、義歯の写真、義歯装着時の口腔内写真及び適合試験の写真を示す。
原因として考えられるのはどれか。2つ選べ。

a 義歯の回転
b 人工歯の摩耗
c 前歯部の咬合接触
d アタッチメントの劣化
e 下顎臼歯部の顎堤吸収





【インプラントオーバーデンチャーについて】
無歯顎に対してインプラントを数本植立し、その上にアタッチメントを介して装着する
可撤性義歯である。インプラントを植立することで義歯の維持が向上し、咀嚼しやすくなる。
長期的に使用していると、アタッチメントの劣化や顎堤吸収の進行による義歯の動揺が見られることから定期的なメンテナンスが必要である。


ボールアタッチメントが確認できる。


臼歯部での咬合が確認でき、極端な咬耗などは見られない。


空隙などの問題は確認できない。


適合試験の結果、臼歯部で強接触が認められる。

114D-53 (全部床) 正答率:41.7% 解答
73歳の女性。下顎義歯の前歯部粘膜面に食物が停滞しやすいことを主訴として来院した。使用中のインプラント義歯は8年前に装着し、義歯の維持には問題がないという。初診時の口腔内写真、義歯の写真、義歯装着時の口腔内写真及び適合試験の写真を示す。
原因として考えられるのはどれか。2つ選べ。

義歯の回転 臼歯部の顎堤吸収により、垂直的な義歯の回転が起こる可能性がある。
人工歯の摩耗 臼歯部での咬合が確認でき、極端な咬耗などは見られない。
前歯部の咬合接触 義歯の写真より前歯部の強接触は認められない。
アタッチメントの劣化 義歯の維持には問題がないため、劣化は考えられにくい。
下顎臼歯部の顎堤吸収  適合試験の結果、臼歯部で強接触が認められる。

解答: a,e