part63 第114回歯科国試 A-48(全部床) 正答率が低かった問題 50.7%

114A-48 正答率:50.7% (全部床)
無歯顎患者における上顎骨の経年的変化はどれか。2つ選べ。
a 皮質骨の肥厚
b 口蓋突起の肥厚
c 大口蓋孔の拡大
d 歯槽頂の頰側移動
e 上顎洞底-歯槽頂間距離の減少

【歯の喪失による経年的変化】
すべての歯を喪失し、無歯顎になるとどのような変化があるのか。
(基本的にすべて悪い方になります)。
上顎と下顎で変化がことなることを覚えておく必要があります。

〇上顎…歯槽頂が口蓋側に移動。
〇下顎…歯槽頂が頬側に移動。

114A-48 正答率:50.7% (全部床) 解答
無歯顎患者における上顎骨の経年的変化はどれか。2つ選べ。
皮質骨の肥厚 逆、非薄化する。
口蓋突起の肥厚 肥厚はしない。
大口蓋孔の拡大 拡大する。
歯槽頂の頰側移動 頬側が吸収し、口蓋側に移動。
上顎洞底-歯槽頂間距離の減少 顎堤が骨吸収し、減少する。

解答:c,e

(愛知学院1年)本年度の授業形態、内容、留年限度数などについて

授業形態について

〇二学期当初は、新型コロナウイルス感染状況を鑑み、完全にオンライン授業のみでの対応でした。10月頃からは、昨年と同様、オンラインと対面を一週間毎に切り替え、生徒に半分ずつ対面授業を行う方式が取り入れられました。

授業内容について

〇授業内容は、昨年度とほぼ変わりはありません。しかし、本年度一年からは、新カリキュラムが取り入れられたため、昨年の専門科目の一つであった歯科基礎科学がなくなり、歯の構造(本年度2年生は、「歯の解剖」という科目で同じ内容を受講しています)という科目に切り替わりました。また、その他の専門科目である歯学入門セミナーⅣ、Ⅴは、昨年同様実施されています。歯の構造では、2学期の前半を座学、後半を実技として、学期末には、座学での定期試験、実技での試験を行うようです。

前期試験について

〇前期試験では、物理で単位を落としてしまった生徒が例年より多かったようです。その他の科目については、例年通りと言えるのではないでしょうか?

1年の同一学年の留年限度数について

〇本年度の一年生は、いろいろプレッシャーがありますが、殆どの生徒さんは、一年生で無事に進級してゆきますから、1年で留年してしまった方々は大きなプレッシャーを抱えていると思われます。それに打ち勝っていくには、粘り強く取り組むしかありません。必ず道は開けます。頑張りましょう。

〇少し気になる点は、本年度からカリキュラムが変わったため、過去問などを練習問題として使用することが、今後出来なくなる可能性があるということです。それを考慮すると、今後はかなり大変かもしれません(つまり今年は、可能な限り、無事に進級したほうがよいということですね)。それ以外については、昨年とほぼ変わりません。

part62 第114回歯科国試 D-89(歯内) 正答率が低かった問題 45.5%

114D-89 正答率:45.5% (歯内)
60歳の女性。上顎右側臼歯部の咬合痛を主訴として来院した。自発痛はないが歯肉を押すと違和感があるという。右上56に打診痛を認める。初診時の口腔内写真とエックス線画像を示す。歯周組織検査結果の一部を表に示す。
治療方針の組合せで適切なのはどれか。1つ選べ。
右上6—– 右上5
a 経過観察—–抜 歯
b 経過観察—–感染根管治療
c 咬合調整—–抜 歯
d 咬合調整—–感染根管治療
e 感染根管治療—–抜 歯
f 感染根管治療—–感染根管治療

【慢性化膿性根尖性歯周炎及び歯根破折の鑑別と治療法】
この問題は1つ選べにも関わらず、正答率が45.5%と低かったです。
また、多選択肢問題(選択肢がe以上、5以上)の問題で戸惑う人もいるかもしれません。
ただ、いくら選択肢が増えても、この問題では正答は1つです。
落ち着いて解きましょう。


右上6頬側遠心部に瘻孔が認められる。


右上6及び右上5に根尖部透過像が認められる。
また、右上5には垂直性の破折線が認められる。


右上5の中央にのみ深いポケット(9mm)が認められる。

以上のことから
・右上6は慢性化膿性根尖性歯周炎→感染根管治療
・右上5は垂直性歯根破折→抜歯となる。

このように解くと、いかに簡単か、実感してもらえると思います。

114D-89 正答率:45.5% (歯内) 解答
60歳の女性。上顎右側臼歯部の咬合痛を主訴として来院した。自発痛はないが歯肉を押すと違和感があるという。右上56に打診痛を認める。初診時の口腔内写真とエックス線画像を示す。歯周組織検査結果の一部を表に示す。
治療方針の組合せで適切なのはどれか。1つ選べ。
右上6—–右上5
a経過観察—–抜 歯
b経過観察—–感染根管治療
c咬合調整—–抜 歯
d咬合調整—–感染根管治療
e感染根管治療—–抜 歯
f感染根管治療—–感染根管治療

解答:e

part61 オリジナル問題

オリジナル問題
COVID-19において最も多く見られる臨床症状はどれか。1つ選べ。
a 喀痰
b 下痢
c 頭痛
d 発熱
e 呼吸困難感

【COVID-19に関する問題】
皆さんもご存じのとおり、世界中で猛威を奮っているCOVID-19ですが、症状・ワクチン・治療薬についてなど、

歯科医師を志す皆さんは、医療従事者としての医療に関する一般的な知識を日頃から備えておく必要があります。

そもそも「ウイルスってどんな構造だっけ?」「このウイルスにはどのような症状・ワクチン・治療薬があったっけ?」
などを日頃から意識して覚えておく必要があります。

COVID-19ですが、最も多く見られる症状は「発熱」と言われています。

他にも、倦怠感、筋肉痛、喀痰、頭痛、下痢、呼吸困難感、味覚障害、嗅覚障害などの症状も
見られる場合があることを覚えておくと良いと思います。

オリジナル問題 解答
COVID-19において最も多く見られる臨床症状はどれか。1つ選べ。
a 喀痰
b 下痢
c 頭痛
d 発熱
e 呼吸困難感

解答:d

(神奈川歯科2年)再試結果~受付代表は名古屋校 052-220-5446~

歯の構造&解剖などは、それほど問題なかったようですが、咬合学が過去問と傾向が変わり、多く落としている状況のようです。

過去問と傾向が変わる科目は今後も増えてくると思われます。

現在後期の対策を実施しています。

part60 第114回歯科国試 D-71(小児) 正答率が低かった問題 30.3%

114D-71 正答率:30.3% (小児)
母子保健法で規定している用語の定義で正しいのはどれか。2つ選べ。
a 妊産婦:妊娠中または出産後1年以内の女子
b 未熟児:出生時体重が 2,500 g 未満の乳児
c 新生児:出生後 28 日を経過しない乳児
d 乳 児:3歳に満たない者
e 幼 児:6歳に満たない者

【母子保健法】
こちらは単純な知識を問う問題でありながら、正答率が大変低かったです。
このような問題を落としてしまうのはもったいないので、しっかり覚えましょう。

ポイントは 未熟児≠低体重児 ということです。
混同にしないようにしましょう。

〇母子保健法 第六条 (抜粋)
「妊産婦」とは、妊娠中又は出産後一年以内の女子をいう。
「乳児」とは、一歳に満たない者をいう。
「幼児」とは、満一歳から小学校就学の始期に達するまでの者をいう。
「保護者」とは、親権を行う者、未成年後見人その他の者で、乳児又は幼児を現に監護する者をいう。
「新生児」とは、出生後二十八日を経過しない乳児をいう。
「未熟児」とは、身体の発育が未熟のまま出生した乳児であつて、正常児が出生時に有する諸機能を得るに至るまでのものをいう。

114D-71 正答率:30.3% (小児)
母子保健法で規定している用語の定義で正しいのはどれか。2つ選べ。
a 妊産婦:妊娠中または出産後1年以内の女子
b 未熟児:出生時体重が 2,500 g 未満の乳児  身体の発育が未熟のまま出生した乳児
c 新生児:出生後 28 日を経過しない乳児
d 乳 児:3歳に満たない者 一歳に満たない者
e 幼 児:6歳に満たない者 満一歳から小学校就学の始期に達するまでの者

解答:a,c

part59 オリジナル問題 (114A-38類題)

オリジナル問題 (114A-38類題)
日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食分類 2021 を図に示す。
とろみ水にあたるのはどれか。1つ選べ。
a 0t
b 2-1
c 2-2
d 3
e 4

【嚥下調整食分類】
国試に出題されていますので、実際の分類を確認しておくと良いと思います。

【障害の程度、大】
0t:とろみ水
0j:タンパク質の少ないゼリー
1j:プリン、ゼリー、ムース
2-1:ミキサー食、ペースト食(おもゆや粥)
2-2:ミキサー食、ペースト食(付着性も離水も低い粥)
3:ソフト食(離水に配慮した粥)
4:ソフト食(軟飯・全粥)
【障害の程度、小】

オリジナル問題 (114A-38類題) 解答
日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食分類 2021 を図に示す。
とろみ水にあたるのはどれか。1つ選べ。
a 0t
b 2-1
c 2-2
d 3
e 4

解答:a

part58 第114回歯科国試 B-30(外科) 正答率が低かった問題 49.1%

114A-38 正答率:49.1% (外科)
耳珠前方に有痛性腫脹を呈するのはどれか。
1つ選べ。
a 顎関節症
b 骨軟骨腫
c 顎関節強直症
d 痛風性顎関節炎
e リウマチ性顎関節炎

【顎関節疾患の症状】
顎関節症は、私たちが歯科の臨床を行っていく上で、遭遇する頻度が高い疾患です。
他の顎関節疾患を含め、「原因・症状は何か、歯科的治療の必要性の有無、好発年齢」などをしっかり覚えておく必要があります。

・顎関節症…疼痛 有、 腫脹 無
・顎関節強直症…疼痛 有、 腫脹 無
・リウマチ性顎関節炎…疼痛 有、腫脹 無
・骨軟骨腫…疼痛 無、 腫脹 有
・通風性顎関節炎…疼痛 有、 腫脹 有

・痛風
高尿酸血症にて尿酸炎結晶が関節軟骨に析出し関節腔内に遊離することで生じる。
顎関節に生じることはあまりないが、発症時に激しい疼痛を伴い数日で自然緩解することが多い。
ほとんどが、男性に生じる。

114A-38 正答率:49.1% (外科) 解答
耳珠前方に有痛性腫脹を呈するのはどれか。
1つ選べ。
a 顎関節症
b 骨軟骨腫
c 顎関節強直症
d 痛風性顎関節炎
e リウマチ性顎関節炎

解答:d

part57 第114回歯科国試 A-38(障害) 正答率が低かった問題 14.9%

114A-38 正答率:14.9% (障害)
日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食分類 2013 を図に示す。
軟飯や全粥はどれか。1つ選べ。
a ア
b イ
c ウ
d エ
e オ

【嚥下調整食について】
超高齢社会の日本で、今後高齢の方の食事における歯科医師の役割は非常に大きくなることが予想されます。

この問題は、正答率:14.9%と非常に低かったです、問題を間違えた学生さんの中には
「全粥だから食べやすい?」と勘違いしてしまった人もいるのではないでしょうか。

重度嚥下障害の食事には「とろみ」が重要であることを覚えておきましょう!

【障害の程度、大】
0t:とろみ水
0j:タンパク質の少ないゼリー
1j:プリン、ゼリー、ムース
2-1:ミキサー食、ペースト食(おもゆや粥)
2-2:ミキサー食、ペースト食(付着性も離水も低い粥)
3:ソフト食(離水に配慮した粥)
4:ソフト食(軟飯・全粥)
【障害の程度、小】

114A-38 正答率:14.9% (障害)  解答
日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食分類 2013 を図に示す。
軟飯や全粥はどれか。1つ選べ。
a ア
b イ
c ウ
d エ
e オ

解答: e

国家試験・卒試の速習個別対策を実施中~試験直前まで~受付代表は名古屋校 052-220-5446~

私立だけでなく、国公立の方々からも、今からの集中的な国試・卒試の対策についてのお問合せが増えています(広島大学など国公立も毎年多し)。

やはり9月以降になると、模試が集中的に実施され、結果を見て、「定着しているはずの学力が足りない!」という事実に焦る方々が多いということだと思います。

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私見ですが、国試に毎年落ちる方の傾向は、苦手な科目、分野から目をそらして、得意な科目で補填してなんとかしよう、とするものであり、合格出来る方は、苦手な科目・分野を、まずしっかり対策して、いかに合格者が取れる問題を、ご自身で確実に得点出来るかに力を注いでいる方のように思われます。

合格するには、国試のa,b,cそれぞれの領域で合格点を取る必要があり、「今年は領域のボーダーが高かったからダメだった」という声をよく聞きますが、このようになってしまわぬように、その年度のボーダーラインに左右されない力をつけ、平均点が上ろうが、下がろうが、確実に点を取る力を身に着ける必要があります。法律や数値などをしっかり覚える確実性と、様々な臨床問題に最も適した治療法などを選択することが出来る柔軟性を日頃から訓練しておく必要があります。

申し込み人数が予定より多くなってしまいそうな場合には、ご本人に「なんとか今年合格したい」というやる気のあり&集中的に対策が可能な方を優先します。

対面だけでなく、遠方の方には、オンラインで受講も可能です。