part53 第114回歯科国試 B-59(薬理) 正答率が低めだった問題 79.5%

114B-59 正答率:79.5% (薬理)
薬物とその薬物が阻害する酵素の組合せで正しいのはどれか。1つ選べ。
a アシクロビル―逆転写酵素
b テオフィリン―コリンエステラーゼ
c デキサメタゾン―トランスペプチダーゼ
d レボフロキサシン水和物-DNA ジャイレース
e ロキソプロフェンナトリウム水和物-リポキシゲナーゼ

【薬物と阻害する酵素】
薬物を知る上で、その薬物の作用機序を知ることが重要になってきます。
今回の問題は酵素阻害による作用を示す薬物の問題でありセットで覚えることが重要になってきます。

●薬物と阻害する酵素
NSAIDs-シクロオキシゲナーゼ
ステロイド薬―ホスホリパーゼA2
ネオスチグミン―コリンエステラーゼ
βラクタム系抗菌薬-トランスペプチダーゼ
ニューキノロン系-DNAジャイレース
など

114B-59 正答率:79.5% (薬理) 解答
薬物とその薬物が阻害する酵素の組合せで正しいのはどれか。1つ選べ。
a アシクロビル―逆転写酵素 DNAポリメラーゼ阻害
b テオフィリン―コリンエステラーゼ PDE阻害薬
c デキサメタゾン―トランスペプチダーゼ ホスホリパーゼA2阻害
d レボフロキサシン水和物-DNA ジャイレース
e ロキソプロフェンナトリウム水和物-リポキシゲナーゼ シクロオキシゲナーゼ阻害

解答:d

part52 第114回歯科国試 B-43(薬理) 正答率が低かった問題 45.6%

114B-43 正答率:45.6% (薬理)
抗血栓薬と作用機序の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
a アスピリン―第Ⅱa 因子阻害
b ダビガトラン―血小板凝集抑制
c チクロピジン塩酸塩-シクロオキシゲナーゼ阻害
d ヘパリンナトリウム―第Ⅹa 因子阻害
e ワルファリンカリウム―ビタミンK 活性化阻害

【抗血栓薬と作用機序】
患者さんの中には、抗血栓薬を服用されている方がいらっしゃいます。
歯科治療時特に観血的処置を行う場合、あらかじめ患者さんの服用薬についてしっかりと確認し、場合によっては医科に対し対診することが重要となります。

●抗血栓薬と適応症
・血小板凝集阻害薬(抗血小板薬)
アスピリン―シクロオキシゲナーゼ阻害
  チクロピジン塩酸塩-ADP受容体阻害
・抗凝固薬
  ヘパリン―トロンビン、第Ⅸa 因子、第Ⅹa 因子の不活化を促進
  ワルファリンカリウム―ビタミンKの活性化阻害
  ダビガドラン―トロンビンの阻害
・血栓溶解薬
  ウロキナーゼ―プラスミノーゲンを活性化

114B-43 正答率:45.6% (薬理) 解答
抗血栓薬と作用機序の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
a アスピリン―第Ⅱa 因子阻害 シクロオキシゲナーゼ阻害
b ダビガトラン―血小板凝集抑制 トロンビンの阻害
c チクロピジン塩酸塩-シクロオキシゲナーゼ阻害 ADP受容体阻害
d ヘパリンナトリウム―第Ⅹa 因子阻害
e ワルファリンカリウム―ビタミンK 活性化阻害

解答:d,e

part51 【オリジナル問題】小児 難易度(易)

すべての乳歯の歯根が完成する時期として最も適切なものはどれか。1つ選べ。
a 2歳
b 3歳
c 4歳
d 5歳
e 6歳

【乳歯の歯根完成期】
乳歯、永久歯に関する問題は頻出です。皆さんが将来歯科医師になった際、お子さんの保護者の方から、
「この歯いつ頃に生え変わりますか?」という、質問があった際、答えられないと問題ですよね。
面倒かもしれませんが覚えてしまいましょう!繰り返し覚えることが大切です。

●乳歯の歯根完成(目安)
乳中切歯(A)-1.5歳
乳側切歯(B)-1.5~2歳
乳犬歯(C)-3歳
第一乳臼歯(D)-2.5歳
第二乳臼歯(E)-3歳

すべての乳歯の歯根が完成する時期として最も適切なものはどれか。1つ選べ。 解答
a 2歳
b 3歳
c 4歳
d 5歳
e 6歳

解答:b

part50 【オリジナル問題】第114回歯科国試 A-52(微生) 類題

Bacillus cereus に有効なのはどれか。1つ選べ。
a グルタラール
b クレゾール石鹸
c 塩化ベンゼトニウム
d 塩化ベンザルコニウム
e グルコン酸クロルヘキシジン

【消毒薬とその対象】

Bacillus cereus(セレウス菌)はBacillus属に属するグラム陽性大桿菌で芽胞を有する好気性菌である。土壌や汚水など自然界に多く存在し、酸性域では発育は悪い。食中毒の原因となる。

セレウス菌の芽胞には、過酢酸などの高水準消毒薬が有効である。 なお、100℃の熱水や蒸気は無効である

Bacillus cereus に有効なのはどれか。1つ選べ。 解答
a グルタラール 高水準
b クレゾール石鹸  中水準
c 塩化ベンゼトニウム 低水準
d 塩化ベンザルコニウム 低水準
e グルコン酸クロルヘキシジン 低水準

解答:a

part49 第114回歯科医師国家試験 A-52(微生) 正答率が意外に低かった問題 83.6%

114A-52 正答率:83.6% (微生)
ヒト免疫不全ウイルスに有効なのはどれか。2つ選べ。
a ポビドンヨード
b 消毒用エタノール
c ベンゼトニウム塩化物
d ベンザルコニウム塩化物
e クロルヘキシジングルコン酸塩液

【消毒薬とその対象】

消毒薬は頻出なのでしっかり覚えましょう。理想はその消毒薬の適応をすべて覚えるのが理想ですが、難しい場合は、その消毒薬が高・中・低水準のどれにあたるかを覚えておきましょう。

●消毒薬
・高水準
 グルタルアルデヒド(グルタラール)、フタラール、過酢酸
・中水準
 次亜塩素酸ナトリウム、ポピドンヨード、消毒用エタノール、クレゾール石鹸
・低水準
 塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、

●HIVに有効な消毒薬
 グルタルアルデヒド(グルタラール)、フタラール、過酢酸
次亜塩素酸ナトリウム、ポピドンヨード、消毒用エタノール

114A-52 正答率:83.6% (微生)  解答
ヒト免疫不全ウイルスに有効なのはどれか。2つ選べ。
ポビドンヨード 中水準
消毒用エタノール 中水準
ベンゼトニウム塩化物 低水準
ベンザルコニウム塩化物 低水準
クロルヘキシジングルコン酸塩液 低水準

解答: a,b

part48 【オリジナル問題】(歯学史)

1728年に『LeChirurgienDentiste(歯科外科医)』を発刊し、「近代歯科医学の父」と呼ばれている人物は誰か。1つ選べ。
a G.V. Black
b J.Biden
c P.Fauchard
d R.Koch
e W.Miller

【歯科の歴史】
歯科の歴史に関する問題も出題されることが多いので抑えておきたいところです。

1728年に『LeChirurgienDentiste(歯科外科医)』を発刊し、「近代歯科医学の父」と呼ばれている人物は誰か。1つ選べ。
a G.V. Black 予防拡大原則に従った窩洞分類を考案
b J.Biden アメリカ合衆国第46代大統領
c P.Fauchard LeChirurgienDentiste(歯科外科医)を発刊
d R.Koch 炭疽菌、結核菌、コレラ菌の発見者
e W.Miller 化学細菌説を提唱

解答:c

part47 第114回歯科医師国家試験 D-29(小児) 正答率が低かった問題 37.5%

114D-29 正答率:37.5% (小児)
哺乳齲蝕が好発するのはどれか。2つ選べ。
a 上顎乳前歯
b 上顎第一乳臼歯
c 上顎第二乳臼歯
d 下顎乳前歯
e 下顎第二乳臼歯

【哺乳う蝕について】
乳幼児において、平滑面のエナメル質が広範囲に脱灰するう蝕です。
特に、上顎前歯部の平滑面や、第一乳臼歯の咬合面に重篤なエナメル質の欠損をもたらします。一方、下顎前歯部には認められない。
離乳期を過ぎても長期にわたって母乳や、ミルクあるいは糖質を含む飲料を哺乳瓶に入れて飲ませることによって生じるとされている。

114D-29 正答率:37.5% (小児) 解答
哺乳齲蝕が好発するのはどれか。2つ選べ。
a 上顎乳前歯
b 上顎第一乳臼歯
c 上顎第二乳臼歯
d 下顎乳前歯
e 下顎第二乳臼歯

解答:a,b

☆離乳の完了(生後12~18か月ころ)であり、第二乳臼歯が萌出(2歳頃~)であることを考えると、今回の問題の選択枝から第二乳臼歯を除外できるはずである。

part46 第114回歯科医師国家試験 B-33(小児) 正答率が低めだった問題 73.0%

114B-33 正答率:73.0% (小児)

114B-33 正答率73.0% (小児)
※画像等はこちらをご覧ください。

8歳の男児。下顎左側第一小臼歯の冷水痛を主訴として来院した。1か月前から自覚していたが、そのままにしていたという。自発痛と打診痛はない。
初診時の口腔内写真とエックス線画像を示す。適切な対応はどれか。1つ選べ。
a 経過観察
b コンポジットレジン修復
c アぺキソゲネーシス
d アぺキシフィケーション
e 抜 歯


【小児のう蝕診断】
正答率73.0%と低めの問題でしたが、良問であり感動しました。
繰り返しになりますが、皆さんが歯科治療を行う上で、まず重要になってくるのが「診断」です。
問題を解く際、患歯が乳歯か永久歯、根未完成かどうか、生活歯か失活歯を正確に判断し、
病名、適切な治療法を決定してください。


左下4に咬合面に着色と実質欠損。咬合平面に達していない。


咬合面に透過像(歯髄にまで達していない)。歯根は未完成。

114B-33 正答率:73.0% (小児) 解答
8歳の男児。下顎左側第一小臼歯(永久歯)冷水痛(生活歯)を主訴として来院した。1か月前から自覚していたが、そのままにしていたという。自発痛と打診痛はない。初診時の口腔内写真とエックス線画像を示す。適切な対応はどれか。1つ選べ。

診断: 下顎左側第一小臼歯う蝕 (C2)

a 経過観察 冷水痛があり咬合面にカリエスを認めるため、う蝕処置が必要である。

b コンポジットレジン修復 口腔内に咬合面に着色がみられ、エックス線にて象牙質までのカリエスを認められ、冷水痛もあることからう蝕 (C2)と診断される。

c アぺキソゲネーシス 未完成の幼若永久歯がう蝕などにより露髄した場合に、歯髄が生活している根尖を生理学的な根尖の発育によって閉鎖させる歯髄由来の治癒形態を狙った処置法であり、今回は歯髄に感染は起きていないため不適応。

d アぺキシフィケーション 歯髄が失活した歯根未完成歯の根尖を硬組織で閉鎖させようとする治療法であり、今回は生活歯であり、また歯髄処置も行う必要もないので不適応。

e 抜 歯 今回の患歯は下顎左側第一小臼歯(永久歯) であり、象牙質に限局したう蝕(C2)であり、う蝕処置により治療可能のため、抜歯を行う必要は全くない。

解答:b

part45 【オリジナル問題 114B-28 類題】

【オリジナル問題】
成長期の下顎骨における骨添加部位はどれか。すべて選べ。
a 下顎頭上縁
b 筋突起前縁
c 下顎枝前縁
d 下顎角外面
e オトガイ部

【下顎骨の成長発育】
すべて選べしましたが、難易度はさほど変わらないと思います。

【オリジナル問題】 解答
成長期の下顎骨における骨添加部位はどれか。すべて選べ。
a 下顎頭上縁 (添加+)
b 筋突起前縁 (吸収ー)
c 下顎枝前縁 (吸収ー)
d 下顎角外面 (添加+)
e オトガイ部 (添加+)

解答: a,d,e

part44 第114回歯科医師国家試験 B-26(小児) 正答率が意外と低かった問題 83.7%

114B-28 正答率:83.7% (小児)
成長期の下顎骨における骨吸収部位はどれか。1つ選べ。
a 下顎角外面
b 下顎枝後縁
c 下顎頭上縁
d 筋突起上縁
e 前歯歯槽部唇側面

【下顎骨の成長発育】
正答率が83.7%と下顎骨の成長発育は覚えてしまえば解ける問題なので間違えてしまうともったいないです。

下顎骨は、下顎枝の後縁で骨添加、前縁で骨吸収が起こり、下顎頭では軟骨内骨化と添加性の成長が起こるため下顎骨は後上方に成長する。
内側面は骨吸収、外側面は骨添加され側方に成長していく。
ただし、前歯部歯槽部は舌側面に添加され唇側面で吸収されるので留意する必要がある。

●下顎骨の添加・吸収
下顎頭…上縁(添加+)
筋突起部…後縁(添加+), 前縁(吸収-)
下顎枝…後縁(添加+), 前縁(吸収-)
下顎角部…外側面(添加+),内側面(吸収-)
下顎骨体…外側面(添加+),内側面(吸収-)
オトガイ部(添加+)

114B-28 正答率:83.7% (小児) 解答
成長期の下顎骨における骨吸収部位はどれか。1つ選べ。
下顎角外面 (添加+)
下顎枝後縁 (添加+)
下顎頭上縁 (添加+)
筋突起上縁 (添加+)
e 前歯歯槽部唇側面 (吸収-)

解答: e

☆前歯歯槽部唇側面は骨吸収部位である。これにより永久歯は乳前歯よりも唇側傾斜し、
歯列弓周長が増大する。