part15 第114回歯科医師国家試験 必修 A-2 正答率が低かった問題 正答率56.7%

114A-2(必修)
歯科用合金を構成する金属元素で、イオン化傾向が最も大きいのはどれか。
1つ選べ。
a Ag
b Au
c Cu
d Pt
e Ti

解答 e

【歯科用金属の物性および理工学基礎知識】

皆さん、中学、高校で様々な金属、それに関する勉強をされたと思います。(アルカリ土類、イオン化傾向など。)
ただ、よくよく考えてみると、歯科領域で使われる金属はある程度種類が限られているということに気が付くと思います。

今回の問題はイオン化傾向が最も大きいのはどれかという問題です。
イオン化しやすい=化学的に不安定→非貴金属(卑金属)かな。
発想が重要になってくると思います。

なのでa Ag(銀)、b Au(金)、d Pt(白金)はすぐ消せると思います。
c Cu(銅)も上記のものと比較すると微妙(※サビに関してチェック)に思うかもしれませんが、後述の e Ti と比較すると明らかなので
すぐ消せると思います。

なので、e Ti(チタン)が正解ですが、「えっー!チタンはインプラント体に使うから安定しているじゃないの!?」と思われるかもしれません。
そうです、ただチタンは表面に酸化膜をすぐ形成し不動態化するため、貴金属と同じように化学的に安定した状態になります。

114A-2(必修)
歯科用合金を構成する金属元素で、イオン化傾向が最も大きいのはどれか。
1つ選べ。
a Ag
b Au
c Cu
d Pt
e Ti

解答 e

part14 第114回歯科医師国家試験 必修 A-1 正答率96.1%(重要問題) 

114A-1(必修)
薬剤耐性〈AMR〉対策に該当するのはどれか。1つ選べ。
a 海外渡航の禁止
b PCR 検査の実施
c 手指消毒薬の配布
d 抗微生物剤の適正使用
e 免疫グロブリンの投与

解答 d

【薬剤耐性(AMR)および薬剤の基礎知識】

皆さんは薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)について説明を求められた場合どれくらい説明できますか。
中には「同じ薬をずっと使い続けたらいけないのでしょ?」
ぐらいの感覚の方がいるかもしれません。
ですか、昨今、コロナウイルス(COVID-19)が問題になっていますが、
WHOが今後の深刻な感染症の一つに薬剤耐性菌の存在を挙げています。

耐性菌が出やすいということはそれだけ一般的な疾患である場合が多いということです、言い方を変えれば、みんながかかりやすい疾患で漫然と薬剤を不適切使用し続けた結果、耐性菌だらけになりどの薬も効かない状態になってしまってことを想像してみてください。
それが、お年寄りや免疫が低下した方に感染してしまったら…。
今後、要チェックの問題ですね。
医療人として日頃から少し医療系のニュースに目を通しておくことも大事かもしれませんね。

114A-1
薬剤耐性〈AMR〉対策に該当するのはどれか。1つ選べ。
a 海外渡航の禁止
b PCR 検査の実施
c 手指消毒薬の配布
d 抗微生物剤の適正使用
e 免疫グロブリンの投与

解答 d
※他にもAMRに関する教育、AMRや抗微生物剤使用の動向監視、
AMRや薬剤耐性微生物の研究、国際協力が重要とされています。